年問題
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
年問題(ねんもんだい)とは、「○○年問題」または「○○年○月○日問題」のような形で呼ばれる問題のことである。
多くは暦上のある年代またはある日付が到来すると、深刻な影響が起きる社会問題で、主として下記の2種類のものがある。
- コンピュータシステムの時刻処理の想定外事態(特に桁あふれ)
- 人の動きや社会制度の変化による歪み発生の問題
特にコンピュータシステムの時刻処理に関する問題は、現代のように生活のあらゆる部分にICが行き渡っている時代には、思わぬところで思わぬ問題を起こしたりしかねない。コンピュータ内部での年の取り扱いの問題は最初、昭和天皇の崩御の際に年号が変わることを想定していなかったシステムが多数あったことから顕在化し、2000年問題の時は、事前に各企業が大量の経費を投入してシステムのチェックを行った上で、2000年になる瞬間にはソフト技術者が多数、何かあった時のためにスタンバイするなどの体制が取られ、大きな社会現象となった。
「○○年問題」またはそれに準じる名称の問題として、下記のようなものが知られている。詳しいことは各項目を参照のこと。
- 1953年問題-この年に公開された映画の著作権の期限が曖昧
- 1999年8月21日問題 - GPSの内部時間の桁数があふれて0に戻る
- 2000年問題(Y2K問題)-コンピュータが2000年を処理できない可能性がある
- 2001年9月9日問題-コンピュータソフトの時間を格納する変数の桁が9桁から10桁になる
- 2007年問題-団塊の世代の大量定年
- 2008年問題-国債の償還期限が大量に到来する
- 2009年問題-トカラ列島の悪石島に皆既日食を見ようという人が殺到する可能性
- 2011年問題-地上波アナログ放送の終了
- 2011年問題-大阪で百貨店の新設・増床が出揃い、供給過剰が懸念されている
- 2014年問題-北陸新幹線の東京-金沢間開業の影響
- 2025年問題(昭和100年問題)-昭和で内部的に管理されているシステムが2025年に困る
- 2031年問題-団塊ジュニアの大量定年
- 旧暦2033年問題-「旧暦」の欠陥により2033年の月名が決まらない
- 2036年問題-Network Time Protocolの時間が桁あふれする
- 2038年問題-コンピュータソフトの時間を32ビットで格納する変数の桁が2038年にあふれる
- 2050年問題-1950年~2049年を下2桁で表現しているシステムが困る。同様のものに2030年問題、2070年問題などがある。
- 2100年問題-2000年以降に作られた年数を2桁で表すシステムや、2100年を閏年と誤解したシステムが困る
- 10000年問題(Y10K問題)-年数を4桁にしているシステムが困る
- 292277026596年問題-コンピュータソフトの時間を64ビットで格納する変数の桁が292277026596年にあふれる