懐中時計
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
懐中時計(かいちゅうどけい)は、ポケットやカバンなどに入れて持ち歩く小型の携帯用時計である。
多くの場合文字盤はアナログ式で、腕時計のベルトの代わりに鎖やひもがつくようになっている。また、持ち運ぶときに文字盤面のガラスを保護するために、文字盤を覆う蓋がついているものも多い。
用途により、鎖の位置が12時の位置だったり、3時の位置だったり、6時の位置だったりすることがある。最近では、ポケットからいちいち取り出すのが面倒なことから腕時計を使う人のほうが多く携帯電話の時計表示を見る人もいるため懐中時計を携帯する人は少ない。
外装の材質は真鍮やステンレスなどの金属製のものが多いが、金製や銀製といった貴金属を使用したものや、また蓋や裏蓋に彫刻がされているなど、装飾品としての価値があるものもある。
[編集] 主な用途
鉄道では鉄道時計として、主に運転士が運転台の鉄道時計を填める窪みに填めて使っている(近年は腕時計を携帯し鉄道時計は持たない運転士もいる)。
病院では脈の測定などの際に時間を見るナースウォッチとして使われることが多い(付属のクリップで胸ポケットや防護衣に留める 腕時計では手洗いの邪魔である他、感染源にもなり得るので)。ナースウォッチの場合、このため普通の懐中時計と違って上下が逆になっている。
料理人の場合、腕時計では手首に水が掛かる職業柄のため、懐中時計を用いることが多い。
近年は、若年層を中心に腕時計を持たず携帯電話を懐中時計のように使用する傾向が一般化しつつある。