振り子
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振り子(ふりこ)は一点で支えられた棒、ひもなどの先に重りを付けたもの。地上など重力のあるところで一回力を加えると揺れを繰り返す。 支点での摩擦や空気抵抗の無い理想の環境では永久に揺れ続ける。
振り子についての最初の研究記録は10世紀頃のアラビア人の天文学者イブン・ユーヌスによる。さらに 17世紀、ガリレオにはじまる物理学者らよる観測の結果、等時性が発見され時計に使用されるようになった。
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[編集] 基本原理
振り子は、重りが左右いずれかの位置にあるとき位置エネルギーを持つ。重力により下に引かれると加速し運動エネルギーとなり一番下で最高速になる。反対側に揺れるとき減速しながら再度位置エネルギーとして蓄積され一旦停止する。以後これを繰り返す。
揺れの幅が小さい場合、振り子の揺れの周期は重さや振幅に関係なく一定である。周期は支点から重心までの長さにのみ影響される。
振り子の周期Tは左右の揺れ一往復の時間であり、次の式で表される。 ここでlは支点から重心までの長さ、gは重力加速度である。
数学的な詳細説明については振動運動を参照。
[編集] 応用
[編集] 計時
振り子の最も一般的な利用法は計時である。今日では少なくなったが置き時計、柱時計などでの調速機として利用されている。
[編集] 重力測定
前述の式のように重力gの値により周期は変動する。そのことを利用し地上の各地の微妙な重力の違いを調べることが可能である。
[編集] 地震計
棒が水平に置く形式の振り子はその重りの慣性により早い振動に対し位置を保とうとする。これを利用して初期の地震計として用いられた。