明神礁
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明神礁(みょうじんしょう)とはベヨネース列岩の近くに位置する海底火山である。1952年噴火の際に、第11明神丸が発見報告をしたことから、命名された。雲仙普賢岳などと同じデイサイト質の噴石を噴出する火山で、激しい爆発を起こす性質がある。激しい火山活動をたびたび引き起こし何度か新島を形成したが、自らの爆発で消滅したり波浪に浸食されたりして現在に至るまで安定した新島を形成できていない。
なお、1952年9月24日には、噴火を観測中の海上保安庁の観測船「第五海洋丸」が噴火に巻き込まれ、田山利三郎測量課長を始めとする31名が遭難、全員殉職している(ただし、第五海洋丸は「明神礁」ではなく付近の「高根礁」の爆発に巻き込まれた、との説もある。生存者や目撃者がおらず真相ははっきりしない)。その後も付近では海水の変色などがたびたび発生し、近辺海域に海底火山危険区域が設定された(平成11年8月9日に解除)。
「第五海洋丸」の遭難は当時としては非常に衝撃的な事件であったため、1954年公開の映画「ゴジラ」にも「明神礁」というセリフが登場する。
その後、1989年に海上保安庁の自航式ブイ「マンボウ」による調査が行われ、明神礁が二重式海底火山の外輪山であることが確認された。1998年にも「マンボウII」による調査が行われ、この海域の詳細な地形が明らかになっている。現在は海水の変色なども確認されず、小康状態を保っていると推定されている。
[編集] 年表
- 1906年:噴煙が上がる
- 1915年:浅瀬を形成する。海中噴火。
- 1946年
- 2月:島が複数形成される
- 12月:島が破壊され波浪礁になる
- 1952年
- 9月17日:爆発と共に島が形成される
- 9月23日:島が再び破壊され消滅する
- 9月24日:第5海洋丸が噴火に巻き込まれ沈没、乗組員31名全員死亡
- 10月11日:島が形成される
- 1953年
- 3月11日:大爆発多数・島が消滅する
- 4月5日:島が再び形成される
- 9月3日:島が海面下に消滅