木造枠組壁構法
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木造枠組壁構法(もくぞうわくぐみかべこうほう)は、建築構造の木構造の構法の一つ。米国の2×4工法(ツーバイフォーこうほう、two-by-four method)を日本で定義した名称。1973年制定。「木造枠組壁構法」は『学術用語集 建築学編』に定められた名称。工法としては、枠組壁工法(わくぐみかべこうほう)とも呼ばれる。一般には日本でも英語名によって広く2×4工法(ツーバイフォーこうほう)と呼び慣らわされることが多いが、まったく同じものを指すものではない。日米の対比の際には、米国の2×4工法はウッドフレーム工法(wood frame construction method)として、(米国の2×4工法に基礎を置く)日本の2×4工法である木造枠組壁構法と比較される。
欧米、特に北米やカナダにおいては、木造住宅の一般的工法であるが、日本では主として住宅の工法として知られる。主要な部分が、2インチ×4インチサイズをはじめとする規格品の構造用製材(ディメンションランバー)で構成されることから名付けられた。
日本の住宅の在来工法(木造軸組構法)が、柱や梁といった軸組材(線材)で支える構造であるのに対し、パネル状に組まれた木材に構造用合板を張った壁や床(面材)で支える構造が特徴である。
規格化された建材は、工場での大量加工により加工費の節減が可能となる。また、継手、仕口などの複雑な加工が不要であるため、加工および現場作業に高度な技術を要しない分、人件費および工期の削減が図れるとされる。一方で、壁が構造上重要な位置を占めるため、窓や扉等の開口部を拡大したり増設したりするような大規模なリフォームはできないデメリットもある。
耐力壁線と呼ばれる壁で囲まれた空間を構成していかなければならない為、間取り、部屋の大きさ、窓の位置、大きさ等、ある程度の制限を受ける。
技術基準については建築基準法告示にて、最低限の仕様規定が明記されている。
構造方法(パネルを組む際の木材の間隔、構造用合板の張付方法及び釘等の金物による留付間隔等)を理解した設計者、工事監理者、工事施工者による工事でなければ、構造耐力が不足した建築物になる場合がある。又、行政機関や民間の確認検査機関等による検査の際に、検査官の理解力が乏しい場合、見落としの可能性もあるので注意が必要である。
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