木造軸組構法
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木造軸組構法(もくぞうじくぐみこうほう)は、建築構造の木構造の構法の一つ。日本で古くから発達してきた構法で、工法としては今日もっぱら在来工法(ざいらいこうほう)と呼ばれることが多い。以下の3つの部分で構成される。
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[編集] 木造軸組構法の構成要素
[編集] 主要部分
在来工法の原形は、竪穴式住居に見られる。すなわち、柱を立てて桁を支え、その桁に梁を架けて主要な構造としている。当初は、頂部が二又の自然木の柱に桁や梁を架けて縄で縛って固定するだけの接合方法であったが、木材加工技術の進歩とともに継手・仕口と呼ばれるほぞやほぞ穴を利用したより合理的な接合方法が用いられるようになった。
[編集] 小屋組部分
梁が架かれば、この梁の上に束を立てて、母屋を支えることができ、母屋が架かれば、垂木を取り付けて屋根構造とすることができる。この屋根構造を「小屋組」と呼ぶ。
[編集] 土台・基礎部分
竪穴式住居では、土に穴を掘って柱を立てる掘っ立て柱が用いられたが、地面から水分が上がれば柱は腐ってしまう。また柱の根元がしっかり固定されていないと地震などの外力によって建物自体が倒壊してしまう。そこで基礎を設け、この上に土台をアンカーボルトで固定し、ほぞ穴を設けて柱を固定している。
[編集] 特徴
日本の在来工法が、以上のように、柱と梁(すなわち線)で支える構造であるのに対し、欧米とくに北米で主流の木造枠組壁構法(ツーバイフォー構法)は格子状に組まれた木材からなる壁や床(すなわち面)で支えるという大きなちがいがある。
ツーバイフォー構法が規格化された建材により工場での大量加工により加工費の節減が可能となるのに対し、在来工法は継手・仕口などの複雑な加工が必要であるため、加工および現場作業に高度な技術を要し、人件費および工期がかかるとされる。そのため、木造軸組工法であっても金具などを多用し、省力化をはかっている場合が多い。
ツーバイフォー構法と異なり、壁が構造上重要な位置を占めないため、窓や扉等の開口部を拡大したり増設したりするような大規模なリフォームができるというメリットもある。
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