板倉宏
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板倉 宏(いたくら ひろし、1934年(昭和9年)1月15日 - )は日本の刑法学者、弁護士である。日本大学大学院法務研究科教授(刑法)。法学博士。
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[編集] 略歴・人物
学説的には、藤木英雄、西原春夫などと同様、新新過失論をとる。 長男の板倉宏昭は経営学者で香川大学大学院教授。
マスコミにコメントを求められることが多く、TBS『アッコにおまかせ!』では板倉自身が特集されたこともある。
[編集] 経歴
神奈川県立湘南高等学校、東京大学法学部卒。同大学院社会科学研究科民刑事法専門博士課程修了。司法試験第2次試験合格。団藤重光に師事し、1961年(昭和36年)3月、東京大学から『租税刑法の基本問題』により博士号取得。
- 日本大学法学部教授
- 司法試験考査委員(刑法)
- 日本大学法学部法学研究所所長
- 日本大学司法研究所所長
- 租税法学会理事
- 日本刑法学会理事
- 法とコンピュータ学会理事
- 警察庁情報システム安全対策研究会委員
- 警察大学校特別捜査幹部研修所講師
- 税務大学校客員教授
- ベルリン自由大学比較法研究所客員教授
等を歴任。
[編集] 著書・研究
古希記念論文集に、板倉宏博士古稀祝賀論文集編集委員会編『現代社会型犯罪の諸問題』(勁草書房)がある。
アメリカ伝記研究所から『組織体犯罪の研究』により国際伝記賞、国際伝記センターから20世紀賞を受ける。
現代社会を取り巻く刑事規制に関する研究が多く、特に租税刑法の分野では、行政刑法も原則は刑法であるという基本理念の確立に務める。また、企業をはじめとした組織体は、組織体として活動しているのであるから、まず、 その組織体の活動の適否をはじめに判断し、その後にその組織体の活動を担った個人の刑事責任を割り振っていくという「企業組織体責任論」、結果予見における「危惧感説」の提唱者として、藤木英雄元東大教授と共に知られる。
[編集] 主要単著
- 『租税刑法の基本問題』(勁草書房)1961年、増補版1966年
- 『企業犯罪の理論と現実』(有斐閣)1975年
- 『現代社会と新しい刑法理論』(勁草書房)1980年
- 『賄賂の話』=中公新書=(中央公論社)1986年
- 『刑法』=プリマシリーズ=(有斐閣)1988年、四版2003年
- 『刑法型犯罪と刑法の論点』(学陽書房)1990年
- 『刑法総論』(勁草書房)1994年、新訂版補訂版2001年
- 『刑法総論』(勁草書房)2004年
- 『刑法各論』(勁草書房)2004年
- 『「人権」を問う』(音羽出版)1999年