格変化
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格 |
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格変化(かくへんか)とは、名詞・代名詞あるいは形容詞の格を語形変化によって表すこと。ディクレンション(曲用)の一種。インド・ヨーロッパ語族及びアフロ・アジア語族などの言語に見られる。その多くは語尾の交替によって表されるが、名詞に伴う冠詞などの変化で表す場合もある。英語では、格変化が消失し、代名詞など一部に残るのみとなり、語順によって格を表す。
これらに対して日本語や朝鮮語は格助詞を用いることで、中国語は語順によって格を表しているとされる。
ハンガリー語、フィンランド語、トルコ語など(日本語と同じ膠着語に入れられる)では、基本的には名詞の後につく語尾で格が表される(この点は日本語の格助詞に似る)。しかし複数や所有者人称などを表すその他の語尾が(言語によっては格語尾より後に)つくこともあり、この点で格語尾は独立性のある助詞とは異なる接尾辞である(なお格変化に伴う語幹内の音交替もある)。また名詞につく形容詞が同じ格をとる「格の一致」もある。このような性質はむしろインド・ヨーロッパ語の格変化に似ているため、これらの言語でも格変化と呼ばれる。格語尾は助詞(後置詞)と呼ばず、語尾よりさらに後につける副助詞のようなものを後置詞と称するのが普通である。