次世代セキュアコンピューティングベース
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(訳注: 現在のところ Next-Generation Secure Computing Base の正式な日本語訳はありません)
次世代セキュアコンピューティングベース (Next-Generation Secure Computing Base, NGSCB) とは、マイクロソフト社によって設計されたソフトウェアアーキテクチャである。以前は「Palladium」という名前で知られていた。このアーキテクチャは将来の Microsoft Windows オペレーティングシステム上で、ハードウェアによるデジタル著作権管理 (Trusted Computing 構想) を実現するためのものであると見られている。NGSCB はマイクロソフトによる Trustworthy Computing 戦略の一環であり、マイクロソフト社の発表によれば、これはユーザに対するセキュリティとプライバシーを向上させることが目的とされている [1]。しかしこれに反対する人々は、この方法では現在のコンピュータにおけるセキュリティ問題をほとんど解決できないばかりか、ベンダーロックインの可能性を増し、IT 市場における競争を阻害すると主張している。
NGSCB では Trusted Computing Group (TCG) 参加企業が設計したハードウェア技術を用いることになっている。これはさまざまなセキュリティ機能をハードウェア上で実現するもので、そこには高速乱数生成や、セキュアな暗号コプロセッサ、そして (コンピュータの所有者にさえ) 非常に開帳が困難なやりかたで暗号鍵をマシン上に格納する機能などが含まれている。3番目の機能により、NGSCB 対応のコンピュータではネットワークを介したハード-ソフト間の attestation (そのコンピュータが特定のソフトウェアを走らせていると証明すること) が可能になる。反対派の人々がおもに批判しているのはこの部分に対してである [2]。いくつかのパソコンメーカーはこのような Trusted Platform Module チップを塔載した機種を発売している (Dell OptiPlex GX620 など [3])。