死蝋
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
この項目の本来の表記は「死蠟」です。一部の日本語環境で表示できない文字があるため、仮名・略字または代用文字を用いています。
死蝋(しろう、「屍蝋」の表記もある)とは永久死体の一形態で、死体が何らかの理由で腐敗菌が繁殖しない条件の下に置かれ、かつ外気と長期間遮断された結果、腐敗を免れ、死体内部の脂肪が変性し死体全体が蝋状・チーズ状になったものである。ミイラとは異なって乾燥した環境ではなく、湿潤かつ低温の環境において生成される。
イタリアのシチリア島にあるカプチン修道会の地下納骨堂に安置されているロザリア・ロンバルドのミイラは世界一美しいミイラ(永久死体)として有名な死蝋である。
魔術のオカルトアイテムには、死刑になった罪人の腕を切り落とし、死蝋化させた物をハンズ・オブ・グローリー(栄光の手)と呼ぶ物が在り、蝋燭代わり等に使用する。また、ドロボウが盗みに入る家の門前でこの蝋燭に火をつけたとき、うまく火がつけば盗みは成功に終わるが、うまくつかなかった時は失敗するので退散したほうがよい、とされる。