汎アメリカ主義
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汎アメリカ主義とは「アメリカ合衆国が主導して新大陸の秩序を構築すべきである」というアメリカ合衆国の国是である。
[編集] 概要
1776年7月4日の独立宣言以来、アメリカ合衆国はピルグリム・ファーザーズ以来のピューリタニズムも掲げ、新大陸に「神の国」の建設を標榜してきた。そして、それこそが「マニフェスト・ディスティニー(明白なる運命)」であると信じるようになった。
19世紀初頭にヨーロッパでナポレオン戦争が起こり、ラテンアメリカの植民地が次々と独立すると、アメリカ大統領ジェームズ・モンローは「モンロー主義」を掲げ、西半球へのヨーロッパ諸国の干渉を牽制をした。
その一方でアメリカ合衆国は新たな独立国を「後進国」と見なし、アメリカ合衆国によって文明化されるべき対象と見なすようになった。中南米諸国に幾度も軍隊を送り、その結果、米墨戦争、パナマ独立戦争、米西戦争などを引き起こした。
また、第二次世界大戦後、米州機構が設立されたが、これは「アメリカ主導の新大陸での秩序構築」が目的であった。そのためキューバ革命で社会主義化し、ソ連に接近したキューバに対しては経済制裁を加えている。また、冷戦期には、反米政権が誕生した中南米の国家に対しては、武力侵攻を行った。
[編集] 汎アメリカ主義の現在
21世紀に入り情報革命進むと、ラテンアメリカ諸国でのインターネットなどによる交流が活発となり、3億人と言われるスペイン語圏の統合が進みつつある。現在の南米大陸の諸国家は、親米国家が多いが、ヴェネズエラの様に反米を掲げる国も少なくない。
[編集] 関連項目
- 米英戦争
- 米西戦争
- パナマ運河
- アメリカ帝国
- 帝国主義
- ウィリアム・マッキンリー
- セオドア・ルーズベルト:棍棒外交を展開した。
- チリ:1973年、サルバドール・アジェンデによる左派政権が選挙で登場するとアウグスト・ピノチェトによる軍事クーデターが起きた。CIAの陰謀といわれる。