決算短信
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決算短信(けっさんたんしん)とは、株式を上場している企業が、決算発表時に作成する、各社共通形式の決算情報である。
[編集] 概要
決算短信では、貸借対照表・損益計算書等を記載する。1事業年度における業績、財産の状況を見ることができる。東京証券取引所の適時開示システムTDnetへの掲載や、マスメディアへの資料投函を通じて発表する。
東京証券取引所の記者クラブ「兜倶楽部」では、決算発表シーズンになると、決算短信の発表を行う上場各社の経理担当者で、大変な賑わいを見せる。
兜倶楽部では、マスメディア各社毎に配布枚数が指定されている。1社1部ではなく、新聞社によっては、1社で複数の部数を要求している社もあり、通常全部で70部以上配布することになる。そのため、ダンボール箱やショッピングカートに決算短信を入れて、東証にやってくる経理担当者もいる。
なお、社長の交代や役員の異動の内定についても、決算短信と同時に発表されることがある。
東京証券取引所は、平成17年9月に決算短信のあり方等を検討するための「決算短信に関する研究会」(座長:黒沼悦郎・早稲田大学大学院教授)を設置し、決算発表時に投資者が必要とする決算情報が迅速かつ適切に開示されるものとなるよう、開示内容の見直しや望ましい開示時期などについて幅広い検討を重ねた結果、平成19年3月期決算より、重要性に応じて記載を省略できる仕組みを導入することや決算短信の期末後45日以内での開示を求めることを決定した。