海東諸国紀
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『海東諸国紀』(かいとうしょこくき, 해동제국기)は、李氏朝鮮領議政(宰相)申叔舟が日本国と琉球国について記述した漢文書籍。1471年(成宗2年)刊行された。
1443年(世宗25年)朝鮮通信使書状官として日本に赴いた後、成宗の命を受けて作成したもので、日本の地名、国情、交聘往来の沿革、使臣館待遇接待の節目などを記録している。
[編集] 内容
海東諸国全図、西海道九州図、壱岐島図、対馬島図、琉球国図、朝鮮三浦図などの地図が冒頭に掲げられている。本文は日本国紀、琉球国紀、朝聘応接紀に分かれ、 それぞれの歴史、地理、支配者、言語などを詳細に記す。
また当時朝鮮を訪れていた日本の地方支配者(大名)使節の接遇方法も詳細に記されている。日本史、琉球史の重要資料であるだけでなく、日本語史でも見逃せない資料を提供している。
[編集] 刊本
1933年に朝鮮史編集会から「朝鮮史料叢刊」として影印刊行され、日本では1991年に詳細な訳注本が岩波文庫から出版されている。