海浜ニュータウン
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海浜ニュータウン(かいひん―)は、千葉市北部の東京湾岸に、埋め立てによって造成されたニュータウンである。全域が同市美浜区に属す。事業主体は住宅・都市整備公団(現:都市再生機構)、千葉県住宅供給公社、千葉市などで、1968年に事業が開始され、1973年に高洲・真砂地区から入居が始まった。
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[編集] ニュータウンを構成する町
ニュータウンは、稲毛、検見川、幕張の3地区より構成され、住宅地域としては以下のような町がある。
[編集] 高洲
高洲は、海浜ニュータウンで最も早く入居の始まった稲毛側・陸地寄りの地区である。住宅は、初期に建設された高洲第一団地、第二団地のほか、稲毛海岸駅周辺に新しい高層マンションがある。高洲第一団地のうち、北側の京葉線沿いに並ぶ高層住宅はパイロット・ハウスといい、これは当時の建設省などを主体として行われた将来住宅コンクールに出展されたものである。
1980年代から、中央部の高洲3丁目にコミュニティセンターの建設が進み、、大型商業施設・忠実屋新稲毛店(現・ジャスコマリンピア専門店館)、扇屋ジャスコマリンピア店(現・ジャスコマリンピア店)の開業を経て、その後京葉線の開通により稲毛海岸駅が設置された。現在まで、ニュータウンの中心地として発展を遂げている。
[編集] 高浜
高浜は、稲毛側・海寄りの地区である。当初はほぼ全域が住宅用地となる予定であったが、計画が変更になり、南部には中央卸売市場が建設された。また、海沿いの7丁目には稲毛海浜公園が広がっている。
初期に建設された団地のほか、海浜公園通り沿いには新しい中高層マンションが並んでいる。これらは1990年代以降、千葉海浜交通のバス車庫や野球場の跡地を利用して建設されたものである。
[編集] 真砂
真砂は、検見川側・陸地寄りの地区であり、高洲に次いで早くから入居の進んでいたところである。美浜区の行政の中心であり、美浜区役所のほか、郵便局、消防署、警察署などの公共施設が集中している。また、高洲寄りの1丁目に東京歯科大学、同付属千葉病院がある。
検見川寄り地区の道路は、曲線を多く用いることをコンセプトとしており、京葉線沿いを走る街路も検見川浜駅付近で大きくカーブを描いている。
[編集] 磯辺
磯辺は、検見川側・海寄りの地区である。この地区は、定住性の高い住宅地の造成を目的に開発されたため、住宅の多くが一戸建てであり、海浜ニュータウンの中で独特の景観を呈している。道がきちんと区画されている。
海側には千葉市立海浜病院、千葉県救急医療センターと磯辺・千葉西の2つの高校がある。また、海沿いは人工海浜・けみがわの浜として整備されているほか、草野水路の河口付近に稲毛ヨットハーバーがある。
[編集] 幕張西
幕張西は、海浜ニュータウンの西端、習志野市との境界に位置する。水路をはさんで北側は幕張B地区として計画されたところで、当初は幕張町一丁目に属し、その後住居表示により幕張西1~4丁目となった。南側は幕張C地区として造成された後発の地区である。
[編集] 打瀬(うたせ)
打瀬は、幕張A地区として計画された地域の一部で、「幕張ベイタウン」として西欧風の洗練された街並みが形成されている。ニュータウン内では最も新しい住宅地で、1995年の入居開始である。幕張A地区は、当初全域が住宅を中心に造成される予定であったが、のちに新都心として整備されることとなり、南東部の打瀬地区のみを住宅地区とするよう変更された。
[編集] 交通
域内をJR京葉線が通過する。ニュータウンは、当初から鉄道駅の存在を前提に計画されていたが、開通が遅れたため、住民は長らくの間不便を被った。
ニュータウンのうち、稲毛・検見川地区のバス輸送は、主に千葉海浜交通が行っている。入居開始当初は稲毛駅へのアクセス道路が整備されておらず、バスの一部は幕張駅入口(幕張五丁目交差点付近)を起点に運行されていた。なお、当初は同社が独占的に路線を有していたが、のちに海浜交通と同じ京成電鉄のグループまたは関連会社である京成バス、ちばシティバス、小湊鉄道もわずかながら乗り入れるようになった。また、2005年2月より団地交通がマリンピア(稲毛海岸駅)を拠点とする旅客輸送を開始し、一部に海浜交通との競合が発生している。
幕張地区は京成バスが主体となり、路線を展開している。幕張西には当初、津田沼駅に接続する路線が通っていたが、幕張本郷駅、海浜幕張駅の開設により、この両駅を結ぶ路線が強化されていった。また、京成とともにベイタウンの路線を担当する平和交通は、開通当初、周辺に営業基盤を有しない事業者の新規参入として注目を集めた。