涅槃姫みどろ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ウィキポータル |
日本の漫画作品 |
日本の漫画家 |
漫画原作者 |
漫画雑誌 |
カテゴリ |
漫画作品 |
漫画 - 漫画家 |
プロジェクト |
漫画作品 - 漫画家 |
涅槃姫みどろ(ねはんひめみどろ)は、週刊少年チャンピオンで2006年2月から2007年14号(3月1日)まで連載されたホラー漫画作品。原作は大西祥平、漫画は中里宣。全54話。単行本全6巻。
目次 |
[編集] 概要
呪術の使い手である謎の転校生みどろが、「厄い」場所にどこからともなく現れ、かかわった者や悪人達を涅槃へ落としていく、一話完結型の物語である。「厄い人」は「罰当たりな人」と考えるのが一番近いように思われるが、必ずしも一致するわけではない。
本来は、印象的なオチや、登場人物の死に様などに焦点を合わせる漫画であるはずだが、インターネット上では、その妙に古臭くつっこみ所の多い描写や、ヒロインのみどろに対するいわゆる萌え要素に、注目が集まっている。
[編集] 登場人物
- 深泥明日香(みどろ あすか)
- 主人公。通称「みどろさん」。長い黒髪が美しい少女。呪術の使い手。髪で隠れた左目は奇妙な色をしている。厄い場所にどこからともなく現れ、欲望に満ちた悪人に罰を与えるが、高貴な精神を持つ人間には最大限の敬意を表する。口癖は「厄いわね」「イケてるわ」。最終回ではラーフラの学校に再び転校して来る。
- 執事
- 左半身は若い女性、右半身は老いた男性という奇妙な人物。みどろの忠実な従者。左半身と右半身は、互いになぞなぞを出し合っている。外出するときは女性側の顔を隠す仮面をつけている。その正体は右半身が15年前、弟子に殺されたマジシャン、左半身がその愛用の腹話術の人形。みどろさんが何らかの方法で繋げたようだ。半年に一日だけ休暇をもらう。みどろさんが関わるとロクな結果にならないという自覚があるようだ。物語終盤で左半身の顔が元に戻り、みどろに記憶を消され一般人として生活を送る。
- ラーフラ
- みどろさんをライバル視する霊能力者。転校生としてみどろさんと同じ学校に入ってきたがその目的は悪魔(みどろさん)を滅ぼすことだった。山篭りを繰り返し、みどろさんの前に度々現れる。釈迦の娘だと自称している。
- メルト
- 執事の前にみどろさんに仕えていた召使い。少年を模した人形の身体をしている。非常にいたずらを好んでおり、そのいたずらは非常に残酷なものである。他人の選択肢を見ることが出来る能力を有するがそれを悪用し人を不幸にしていた。その為にみどろさんに数十年も封印されていたが執事によって目覚める。終盤ではただの人形となって捨てられた。
[編集] 深泥明日香に関する考察
本作品では一貫してみどろさんはミステリアスな女性として描かれており、謎が多い。
- 容姿
- 髪で隠れている左目は白黒反転した色をしている。この目に何か特殊能力が備わっているのかは明らかにされていない。
- 年齢
- 不詳。高校に通っていることから、15~18歳と思われる。作者の絵柄による部分が大きいが、もう少し年齢が高いように見えなくも無い。ただし「厄の4 呪詛」では10年ほど前に呪詛返しをかける高校生のみどろらしき人物が描かれており、また創業90年のラーメン屋の5代前店主の味を知っていたことから、年齢は重ねない存在なのではと考えられる。みどろ曰く「そのへんの解釈はご自由に」。
- 居住・家族
- 古びた洋館に執事と2人で住んでいる。「厄の6 進路指導」では住所は藻上町4丁目とされているが地図には載っていない。そこが涅槃にあるのか、場所は移動できるのかは不明である。「代々霊媒師の家系」「高名な霊能力一族」と噂されているが、みどろ本人からは「親はこの世にはいない」という台詞しか得られていない。
- 普段の生活
- 「厄い」人物を求めて全国の高校を転々としている。例外として「厄の5~8」は一貫して同じ制服を着ており、出席状況や新聞部の所属状況から、この神座(かむくら)高校にそれなりの期間在学していると思われる。
- 転校してくる際は周りの人物の記憶を書き換えている。また、彼女に関わった人々の記憶は消去される(完全に消去できないらしく断片的な記憶は残っている場合もある)。ごくまれだが、それなりに勘の鋭い人物は彼女の素性を見通してしまうことがある。
- 「入滅堂」という古道具屋を経営している。「厄の11 蒐集」では厄日に自分のコレクションを放出している。美術的価値よりも霊的価値にこだわった古道具や稀覯本を扱っている。
- 人間なのか?
- 上述した左目や年齢以外にも、下記の事柄から通常の人間とは異なっている。これが卓越した霊力によるものなのか、あるいは人間を超越した存在によるものなのかは不明である。
- ビルの窓ガラスに上下反転して映る。鏡に映らない。影がない。
- 「鏡の反対側の裏返った世界」を行き来できる。
- 涅槃と現実世界を行き来できる。
- 引きこもりでネトゲ廃人のクラスメイトに学校のプリントを渡すために、そのクラスメイトがプレイしているゲームの中で直接渡している(余談だがグラナド・エスパダをモチーフとしたゲームであるようだ)。
- 楳図かずおのおろちにプロットが見てとれる。ただしここまでブラックヒロインではない。
[編集] 多方面への影響
- 以前より当作独特の台詞、言い回しが他漫画で用いられることなどあったが、2006年8月18日放送のテレビアニメ「クレヨンしんちゃん」の次回予告において『フフフ・・・厄いわね』『フフフ…イケてるわ』と台詞が入った。その後週刊少年チャンピオン(2006年44号)にて扉絵のアオリ文の一つに「アニメ『クレヨンしんちゃん』の予告でもパロディされた」と記された。
カテゴリ: 漫画作品 ね | 週刊少年チャンピオン | 漫画関連のスタブ項目