無落雪建築
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無落雪建築(むらくせつけんちく)とは、屋根に雪を載せたまま自然処理するかたちの、北海道の住宅。屋根は一見平坦な形状に見えるが緩い勾配がつけられる。雪は自身の重みや物体熱などで自然に融けた分がダクトを通して排出される。積雪期間、屋根にはある程度の雪が載ったままのため、それに耐えうる構造が求められる。
かつて、北海道では三角屋根が常識だったが、屋根からの落氷雪や転落による死傷者が後を絶たず、危険な上、除排雪、雪処理の苦労が暮らしをつらくしていた。そうした中、北海道の住宅総合メーカー木の城たいせつが「無落雪建築」を開発、昭和45年に専業化した。当初は非常識と言われたが、現在、北海道内の年間の建築戸数の約60%が無落雪建築である。しかし、屋根の形状がフラットでも、雪の重みに耐えられない構造の家も多い。それらは、雪下ろしが必要であり、本当の無落雪屋根とはいえない。