木の城たいせつ
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木の城たいせつ(きのしろたいせつ)は、北海道夕張郡栗山町に本社を置く住宅総合メーカー。創業者は山口昭(会長)、代表取締役社長は佐藤義礼。創業は1950年。
- 本社所在地:〒069-1592 夕張郡栗山町旭台1-15
- 電話番号 フリーダイヤル 0120-02-1357 代表0123-72-7555
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[編集] 概要
北海道の木財だけで、北海道向けの木造注文住宅を建築。施工エリアは北海道のみで、これまで約19000棟を建築している。同社の住宅は「木の城」と名付けられている。 「冬に強い本物100年住宅」がアピールポイントで、「日本で唯一北方圏にある北海道は本州基準とは全く違う、北海道に合った住まいがあるべき」というのをモットーとしている。北海道産材を中心とする自然素材にこだわった健康性能や、100年長持ちの耐久性、寒さや雪、暖房対策などが特長である。特に無落雪建築(無落雪屋根を施した住宅)のパイオニアで、「世界一受けたい授業」(日本テレビ系)でも紹介された。
また健康性能が評価され、同社のシンクタンクである冬総合研究所が、産学官によるプロジェクトに参画している。化学物質過敏症転地住宅を建築し、旭川市に寄贈した。
栗山町に約65000坪の生産拠点「もったいないランド」を有し、原木生産から製材・加工・設計・管理・施工・アフターサービスまで全て自社直営で行っている。住宅メーカーでは珍しく、下請けは一切使っていないのが特徴であり、北海道では季節業である建築業界において、31年前から一貫して冬期間の施工も行っている(通年施工・通年雇用)のも大きな特徴。
創業者の山口昭は、宮大工に弟子入りして、日本の伝統建築の精神を学んだ後、注文住宅を手がけた。そして、伝統の匠の技術や知恵と、生産機械など近代技術の両方を生かし、トータルシステムと呼ばれる独自の生産・建築システムを構築した。その原点には、同氏が祖父母や両親、故郷などから受け継いだ「もったいない精神」があり、もったいないの実践基地とも評価されている。
1992年に参加した世界環境会議「グローブ'92」で「持続可能な開発を実践する21世紀のモデル企業」と絶賛されて以来、国内外から注目を集める。地域循環型、「もったいない」の実践企業として、経営者から行政関係者、ジャーナリスト、研究者など視察者が相次ぐ。2006年には小泉純一郎内閣総理大臣も栗山総合メーカー基地を視察し、「日本が世界に誇れる企業だ」とコメントしている。
[編集] 沿革
- 1950年創業者 山口昭18歳で“木の事業家”を志し、宮大工修行に入る。禅寺建立、劇場、学校などを手掛ける。
- 1959年興成建設設立
- 1960年匠建設設立
- 1965年火災で匠建設全焼
- 1965年弘匠建設株式会社設立
- 1966年新川工場(札幌)建設
- 1968年耐雪構業株式会社設立
- 1970年「無落雪建築」の専業化
- 1974年耐雪ハウス株式会社設立
- 1975年株式会社耐雪ハウス事業設立
- 1976年「通年施工・通年雇用」完全実施
- 1978年「住財高度加工物流センター」完成(栗山町)
- 1988年株式会社木の城たいせつ設立。「耐雪ハウス事業」社名変更。「トータルライフ開発センター」完成
- 1989年株式会社木の城たいせつ本社所在地移転(札幌→栗山)。「天然素材開発センター」完成。「手づくり心のCI」スタート
- 1992年世界環境会議「グローブ92」参加(カナダ)。北米・モンタナ大学との共同研究開始。道産材100%新基準開発
- 1993年「国際環境総合研究所」発足
- 1994年「もったいない」出版(山口昭著)
- 1995年「冬生活総合研究所」発足
- 1996年カナダ・ブリティッシュコロンビア大学との共同研究開始。ハーバード大学が山口昭に「ジョン・ハーバード・フェロー」を授与
- 1997年株式会社冬総合研究所設立
- 1998年ハーバード大学公衆衛生大学院に「山口昭プロフェッサーシップ」創設
- 2001年冬に強い本物100年住宅「白い木の城」開発。化学物質過敏症研究住宅(旭川)完成
- 2004年前内閣総理大臣 小泉純一郎氏が木の城たいせつ総合メーカー基地視察
- 2005年山口昭会長に就任。佐藤義礼代表取締役に就任
[編集] 営業所
[編集] 展示場
- 北海道マイホームセンター(札幌会場、札幌森林会場、札幌南会場、旭川会場、帯広会場)
- STVハウジングプラザ(宮の沢)
- 木の城たいせつ社内 ○もったいないランド(夕張郡栗山町旭台1-15)○空知(滝川市流通団地1-1-15)○岩見沢(岩見沢市9条東6丁目1-4)○江別(江別市高砂町34-11)○千歳(千歳市清水町6丁目26-5)○苫小牧(苫小牧市双葉町3丁目9-2)○小樽(小樽市若竹町7-2)○倶知安(倶知安町北4条東9丁目)
[編集] 関連図書
- 「もったいない」(山口昭著、講談社刊)
- 「世界でいちばん住みたい家」(赤池学、 金谷年展共著、TBSブリタニカ刊)
- 「北海道でいちばん住みたい家―マンガでわかる『四角い家』の人気の秘密 」(松橋 犬輔著、小学館スクウェア刊)
- 「ゼロエミッションと日本経済 」(三橋規宏著、岩波新書)
- 「サステナビリティ経営」(三橋規宏著、講談社刊)
- 「森とCO2の経済学」(三橋規宏著、 PHP研究所)
- 「あなたもできる自然住宅」(船瀬俊介著、築地書館)
- 「木造革命-木の家づくりから木の街づくりへ」(船瀬俊介著、リヨン社)
- 「プロも知らない「新築」のコワサ教えます」(船瀬俊介著、築地書館)
- 「住宅市場改革」(島田晴雄+住宅市場研究会著、東洋経済新報社)
- 「シックハウスよ、さようなら」(中野博著、TBSブリタニカ)