煙突
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煙突(えんとつ)とは、工場、事業場、家庭などから燃焼等の過程で排出されるガスを屋外に導くための長い筒状の突起物。
煙突の高さが高いほど、排出ガス中に含まれる大気汚染物質濃度は、地表に到達するまでに拡散されることから、排出ガス濃度そのものの低減対策(脱硫、脱硝、集塵など)に加えて煙突の高さを高くする対策が広く推奨されてきた。ただし、煙突の高さを高くしても大気汚染物質の総量削減効果がないことに留意する必要がある。
煙突からのばい煙の拡散は、排出ガスそのものが持つ熱による浮力、煙突頂部から排出されるときの吐出速度によるモーメント力、外気の風速や気温などにより、一定の高さまで上昇したのちに、有風時には風下側に流れる。そのときの煙流の上昇高さ(ΔH)に、煙突そのものの高さ(H=実煙突高)を加えたものを有効煙突高(He)と呼ぶ。
[編集] 世界の煙突の高さ
2006年3月時点での高さランキング
順位 | 名称 | 高さ | 国 | 街 | 竣工 | 備考 |
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1 | エキバストス第二発電所 | 419.7m | カザフスタン | エキバストス | 1987年 | 世界一高い煙突 |
2 | インコスーパースタック | 381m | カナダ | サドベリー | 1971年 | 世界一高い独立塔煙突 |
3 | ケンネコット大煙突 | 380m | アメリカ | ガーフィールド | ? | |
4 | Homer City発電所 | 371m | アメリカ | Minersville | 1977年 | |
5 | ミッチェル発電所 | 367.6m | アメリカ | マウンズビル | 1971年 | |
6 | トルボヴリェ煙突 | 364m | スロベニア | トルボヴリェ | 1976年 | ヨーロッパで最も高い煙突 |
7 | Endesa Termic | 356m | スペイン | ラコルニャ | 1974年 | |
8 | シルダリヤ火力発電所 | 350m | ウズベキスタン | シルダリヤ | 1975年 | |
9 | テルエル火力発電所 | 343m | スペイン | テルエル | ? | |
10 | プロミン火力発電所 | 340m | クロアチア | プロミン | ? | |
11 | ヴェスターホルト火力発電所 | 337.5m | ドイツ | ゲルゼンキルヘン | 1997年 | |
12 | マウンテニア発電所 | 336.2m | アメリカ | ニューヘイブン | 1980年 | |
13 | TETs5 | 330m | ウクライナ | ハリコフ | ? | |
14 | Maritza East発電所 | 325m | ブルガリア | スタラザゴラ | 1977年/1980年 | |
15 | ヤウォジノ発電所 | 300m | ポーランド | ヤウォジノ | ? | |
15 | べウハトゥフ発電所 | 300m | ポーランド | べウハトゥフ | 1979年 | |
15 | コジェニツェ発電所 | 300m | ポーランド | コジェニツェ | ? | |
15 | Warszawa-Kawęczyn発電所 | 300m | ポーランド | Warszawa-Kawęczyn | ? | |
19 | ナバホ火力発電所 | 236m | アメリカ | ページ | ? | |
20 | アナコンダ煙突 | 178.3m | アメリカ | アナコンダ | 1919年 |