片貝まつり
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片貝まつり(かたかいまつり)は、新潟県小千谷市片貝町で開催される秋季大祭。
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[編集] 概要
- 毎年9月9日・10日(日程は固定)に開催される。
- 祭りの特徴は浅原神社への奉納煙火である。
- もともとは、町内の各家庭で花火をつくり、辻などで個人や近所など少人数で打ち上げていたのが始まりといわれている。
- 火災等の危険を減らす意味も含め、片貝町のほぼ中心にあり、鎮守様でもある浅原神社浅原神社の裏手の畑(通称:十三畑)の辻(通称:二つ坂の下)で打ち上げるようになった。
- これにより、打ち上げ場に打ち上げ用の筒を運ぶことを筒引き、各町内の若衆が打ち上げる家庭を回り花火玉を集めて打ち上げ場に運ぶことを玉送りと呼んだ。これら行事は、現在も形式的ではあるが行われており、祭りに華を添えている。
- 日本で最初に「正三尺玉」や「正四尺玉」(ギネスブックにも掲載されている)を打ち上げたことで有名であり、日本で唯一「真昼の正三尺玉」も打ち揚げられ、大玉が打ち上げられることで各方面に知られている。
- 特に隣接する長岡市で行われている長岡まつりとの大玉製作・打上合戦は数年にわたり行われ、「正四尺玉」の成功で今のところピリオドが打たれている。
- また、火災の恐れもあるためか、大体の花火大会が川原や海岸で行われているが、このまつりにおいては丘の上にて打ち上げられている。
[編集] 各種行事
[編集] 奉納煙火
個人や家族単位でだけでなく、地元の片貝中学校を卒業と同時に同級生で結成した「会」(以下、同級会)単位でスターマインなどの大きな花火を打ち上げている。
- また同級会は、生涯の付き合いであり結束が強い。前年(先輩)より良い(大きい)花火を打ち上げようとしているが、近年は少子化により個々の負担が増加しているという面もある。
[編集] 筒引き
- 9日の朝から午後にかけて「筒引き」という伝統行事が行われる。五部若の支部付近(片貝町八島)を出発地とし、各町内を回った後に浅原神社の境内へ上る。その年に成人を迎えた同級会(以下、成人)が中心となって筒を引き、それぞれの町内を筒が通るときにはその町内の成人が筒の上に乗り「皆々様の御精力により、やってくれや」と叫んで、祭りを盛り上げる。もともと筒引き行事は、下の三町内(五部、て組、三組)の伝統行事であったと言われる。また、それぞれの町内で纏(まとい)を披露することも筒引き行事の一環となっている。この纏の披露は、纏から垂れ下がる飾りから「馬簾(ばれん)」と呼ばれている。
[編集] 玉送り
- 9日および10日に、「玉送り」という花火玉を町内各地から打ち上げ場へ運ぶ行事が行われる。
- い組・に組・三組・て組・五部・ま組の各町内や成人・33歳・42歳・50歳・還暦の各学年の集団で「屋台」と呼ばれる山車を引きながら、町内各地を練り歩き、浅原神社へ向かう。
- 屋台の前方で綱を引くものは「道中木遣り」を、後方では「しゃぎり(囃子)」を演奏しながら進む。
- 「しゃぎり」や「半纏」は、各町内ことに音色や模様が異なる。
[編集] その他
- 前夜祭となる8日には、「巫女爺」の屋台や民謡流しが各町内を流す。
- 9日夜は組(町内)対抗となる「しゃぎりコンクール」が行われる。