特性インピーダンス
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特性インピーダンス(とくせいインピーダンス、Characteristic impedance)は、一様な伝送路を用いて電気エネルギーを伝達するときに伝送路上に発生する電圧と電流の比率。
損失がなく無限に長い伝送路を仮定すると、電気エネルギーは伝送路上の電圧と電流が変化しながら相互に影響し合うことによっておおむね光速度で伝達される。このとき伝送路上に発生する電圧と電流の比率は伝達媒体の種類や構造によって決まり、この比率を特性インピーダンスと呼ぶ。電圧と電流の代わりに電場と磁場の比率が用いられることもある。特性インピーダンスの概念は物理学者のオリバー・ヘビサイドによって導入された。
単位長さあたりのインダクタンスがLの電気伝導体と、単位長さあたりの静電容量がCの絶縁体を組み合わせた損失のない均一な伝送路の特性インピーダンスZ0は次式で表される。
電気回路において、ある回路要素から伝送路へ、あるいは伝送路から回路要素へ電気エネルギーを伝達する場合、回路要素のインピーダンスと伝送路の特性インピーダンスが異なるとエネルギーの一部が反射して伝達されない。このため、電気エネルギーを効率良く伝達するためには接続部においてインピーダンスを統一する必要がある。このような操作はインピーダンス整合と呼ばれる。交流特に高周波回路においては回路に挿入されるあらゆる伝送路、配線やコネクタに至るまで特性インピーダンスを指定して電気信号の反射による効率低下を防止する工夫がなされている。