球戯場の誓い
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球戯場の誓い(きゅうぎじょうのちかい)は、フランス革命勃発直前の出来事。議決方法をめぐって紛糾した三部会に対し、第一・第二身分議員が議場を閉鎖しようとしたため、1789年6月20日、多数派の第三身分議員が中心になって、ヴェルサイユ宮殿のテニスコートに集まり、憲法制定まで解散しないことを誓い合った。ミラボーやアベ・シェイエスが指導した。テニスコートの誓いとも呼ばれる。
当時のフランスは度重なる戦争と飢饉で財政が破綻しており、財政を再建するにはこれまで課税を免れてきた第一身分(僧侶)と第二身分(貴族)にも課税を行なうほかなく、ルイ16世は新しい課税制度を制定するために三部会を召集した。これに反発した第一身分と第二身分は三部会で分離審議と身分別投票を主張し、合同審議と個人別投票を主張する第三身分(平民)と激しく対立した。
独自に審議を進める第三身分にパリの一般市民や下級僧侶らが合流し始め、国民議会を名乗った。ついに第一身分の議員は第三身分の審議に合流することを決定したが、これに脅威を感じた王弟アルトワ伯は第三身分の議場を閉鎖した。