用語
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用語(ようご)
こうした用語の中には、その専門分野の人でなくても、大よその意味や使われ方の見当がつくものもあるが、なかには敢えて部外者に分からないようにした用語もあり、それを隠語という。一種の隠し符牒、暗号になった用語といってもいいだろう。
隠語ほどではないにせよ、ある特定分野だけでのみ用いられる用語の使用は、その分野に属する人間同士の連帯感の醸成に役立つ。たとえば初対面の人間との会話で、ある語句を自分と同じ意味で使用する者に対して、親近感を感じたり、あるいはそれによって仲間と認識する。これは顔かたちの似た者(多くの場合は同じ人種や民族であること)に対して抱く感情と同種のものである。また、におい(体臭。食事や生活環境によって変化する)の似ている者を味方と感じる(現代人は嗅覚を重んじていないためさほど顕著ではない)ことと同様であり、それは「自分と同じにおいのする人間」といったように、現代日本において使用する。しかし人種や民族が変更不能なのに対して、その世界独自の用語は、学習することによって修得することができるという相違がある。
その世界(業界)独自の用語が成立するには、
- 他の分野で使用しないモノ・動作などの名前
- その分野でのみ頻用される語であるために省略する
などが考えられる。
敢えて省略したり崩さなくても良いような基本的な語彙を省略語化していることが多々見られるが、これもその世界の中での仲間意識を形成するためにむしろ業界用語が形成されている側面が指摘される。また、部外者に分からなくするために、母語で充分使用可能な語を外来語によって置き換える などの方法がとられることもあり、これに対しては一種の選民意識を形成するものだと考えることもできる。
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