相似次元
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相似次元 (similarity dimension) は、図形の自己相似性に注目した次元の定義である。人工的な自己相似図形に対して次元を求める場合に用いる。人工的な自己相似図形以外の図形(実際の自然界に存在する図形など)に対しても相似次元の概念を適用できるように定義を拡張した次元として、容量次元がある。
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[編集] 定義
相似次元は、縮小図形をいくつ集めると元の図形を復元できるかという観点から定義される。ある図形を k 分の1に縮小したとき、元の図形を復元するために必要な縮小図形の個数を とする。このとき、
となるような Ds を、相似次元と呼ぶ。
[編集] 自己相似図形の相似次元
カントール集合の場合、元の図形を3分の1に縮小したものを2つ集めると元の図形に復元できる。そのため、
から、相似次元は
と、非整数になる。
コッホ曲線の場合、元の図形を3分の1に縮小したものを4つ集めると元の図形に復元できるので、相似次元は である。
このように、ある図形が全体を a 分の1に縮小した相似図形 b 個によって成り立っているとき、相似次元は
となる。
[編集] 関連項目
[編集] 参考文献
- Huntchinson, J. E. (1981年) "Fractals and Self-Similarity," Indiana University Mathematical Journal 30, 713-747.
- Feder, J. (1988年) Fractals, Plenum Press, New York.
- 高安秀樹 (1986年) 『フラクタル』, 朝倉書店.