知恵
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知恵(ちえ)は、知識によって得られたもの、という意味から発展して、今では主に、ものごとをの道理をわきまえていて適切にふるまう能力のことを指す。
知恵と知識との関係については、様々な考え方がある。知識を沢山持っていても、知恵を著しく欠いている人もいる、また、知識はさほど多くなくても、立派に知恵を持っている人もいる、などとも言われる。
古代ギリシャの哲学において、知恵もひとつの重要なテーマとして論じられた。例えば「徳」と日本語では訳されているものの中に、これに合致する部分も多い。
老子の第十八章には「知恵出でて大偽あり」という表現が見られ、かつて人々が素朴であった時代には、人々は自然に従って生きており平和だったが、後に人間の知恵が進んで、不自然なこと人為的なことが行われたので、大きな偽り(大偽)が生じ、世の中が乱れてしまった、と述べられている。
旧約聖書には、アダムとイブが、「知恵の実」(知識の実)を食べて性的羞恥心が芽生えた、との描写が見られる。その一方でその「知恵の実」が原因でアダムとイブは楽園を追われた、という描写も見られる。
仏教では、知識を絶対視しておらず、自らが獲得した知識によって煩悩が生じるとして、むしろ知識自体を捨てようとする。知識の集合を「知恵」と表記するのに対し、悟りを「智慧」と同音異字で区分することが慣習化されており、後者に重きを置いている。
[編集] 「知恵」の含まれる表現、物
- 知恵を借りる
- 知恵を絞る
- 知恵者
- 知恵袋(知人の中の知恵のある人)
- 知恵比べ
- 知恵立て(自分の持つ知恵を見せびらかすこと)
- 浅知恵
- 入れ知恵(悪い意味。自分で得たわけではなく、人につけたり、人からつけられた、浅知恵、不適切な知恵)
- 知恵熱(乳幼児に若干知恵が付き始めるころに突然起きる発熱)
- 知恵の輪
- 知恵の駒(正方形の枠の中に16個駒を配置、一駒だけとり除き、その空き地を利用し、1~15の駒を番号順に並べるゲーム)