磁気単極子
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磁気単極子(じきたんきょくし、Monopole)とは、単一の磁荷を持つとされる仮想的な素粒子。モノポールとも言われる。
現在では、宇宙のインフレーションの名残として生み出されたと、仮定されるものの一つである。2005年現在に至るまで、その存在は観測されておらず、現在でもモノポールを観測する試みが、カミオカンデなどで続けられている。
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[編集] 概要
通常、磁石にはN極、S極の二つの磁極が必ず存在し、この組み合わせを磁気双極子という。N極のみ、およびS極のみを持つ磁石、磁気単極子(モノポール)は現在まで観測にかからず、存在しないと考えられており、マクスウェルの方程式により代表される古典電磁気学はこの前提のもとに構成されている。
しかし、古典電磁気学は容易に磁気単極子の存在を許すように改変出来る。 さらに1931年にディラックは、量子力学でも磁気単極子を考えることが可能であり、しかもそれが可能になるための条件から磁荷の最小単位が定まることを示して、磁気単極子が一躍注目をあびた。
[編集] マックスウェルの方程式
ディラックによれば、マックスウェルの方程式は「磁気単極子の存在」により、次のようになる。
磁気単極子は陽子の1016倍程度の質量を持ち、磁気単極子の磁荷gは次式で表される。
ここで、n は任意の整数である。
[編集] モノポールが登場する作品
- 少年漫画「Q.E.D. 証明終了」の第07話『1st,April,1999』
- 小説「サイバーナイト」シリーズで動力源として登場
- オリジナルアニメーション「YAMATO2520」の作品内全般
- 小説「9S」の主人公、坂上闘真の武器「鳴神尊」の原料の一つと目されている
- TVアニメ「星方武侠アウトロースター」の第22話「重力脱獄」にて、主人公らが脱獄する際に使用