社会性
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社会性(しゃかいせい)とは、他者の存在に関心を持ち、積極的に関わろうとする姿勢、および関わるための技術を指す。
社会に関わるためには、最低限以下の能力が必要とされる。社会技能(ソーシャルスキル)と呼ばれるものである。
- その場の暗黙のルールを汲み取れる。
- 自分の発した言動が、相手にどう受け取られるか想像出来る。
- 自分の考えを、上手に相手に伝える事が出来る。
普通は自然に獲得出来るものだが、中には獲得が困難な人がいる。しつけで解決できない場合には、アスペルガー症候群など広汎性発達障害の可能性がある。昔から、学習能力はあるのに友人を作れない子どもは、社会性のない子どもと呼ばれた。
社会性の基本は、ギブ・アンド・テイクである。 概ね小学生段階で、例えば、おもちゃを借りたら相手の便宜を図ってやろうという辺りから始まる。 いわゆる大人の付き合い、進物やおすそ分けをされたらお返しをするといった事も、ギブ・アンド・テイクの応用だと考えればいい。
社会性を身に付ける教育として、ソーシャルスキルトレーニングがあるが、個別の状況に対応する方法を教え込むだけで、応用が利かないため、社会性獲得の決め手にはなっていない。
現在、ニートと呼ばれる人たちの多くは、社会性の獲得に失敗した、あるいは元々社会性に困難を抱えた人達であると見るものもいるが、これは日本独特の考え方であり、欧米ではその原因が個人の問題だけならず社会的排除とも言われている事から、ニート=社会性に問題のある者と安易に考える事は間違いである。