税関
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税関(ぜいかん、英: Customs)は、日本国においては財務省の地方支分部局の一つとして置かれる国の機関であり、関税の徴収、輸出入貨物の通関、密輸の取締り、保税地域の管理などを主たる目的・業務とする。国際的な物流の管理に関与する必須的な機関であり、世界の多くの国々に同様の機関が設けられ、その名称の日本語訳としても使用される。
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[編集] 組織
- 函館税関 - 北海道/青森県/秋田県/岩手県
- 東京税関 - 山形県/群馬県/埼玉県/千葉県のうち市川市(財務大臣が定める地域に限る。)、成田市、香取郡多古町及び山武郡芝山町/東京都/新潟県/山梨県
- 横浜税関 - 宮城県/福島県/茨城県/栃木県/千葉県(東京税関の管轄に属する地域を除く。)/神奈川県
- 名古屋税関- 東海地方
- 大阪税関 - 北陸地方(新潟県を除く。)/近畿地方(兵庫県を除く。)
- 神戸税関 - 兵庫県/中国地方(山口県を除く。)/四国地方
- 門司税関 - 山口県/福岡県(長崎税関の管轄に属する地域を除く。)/佐賀県のうち唐津市、伊万里市、東松浦郡及び西松浦郡/長崎県のうち対馬市及び壱岐市/大分県/宮崎県
- 長崎税関 - 福岡県のうち大牟田市、久留米市、柳川市、八女市、筑後市、大川市、小郡市、うきは市、三井郡、三潴郡、八女郡、山門郡及び三池郡/佐賀県(門司税関の管轄に属する地域を除く。)/長崎県(門司税関の管轄に属する地域を除く。)/熊本県/鹿児島県
- 沖縄地区税関 - 沖縄県
- ※他に税関支署、出張所、監視署などが置かれる。なお、税関の自称及び各税関の本庁を指す呼称は「本関」と言う。(他組織の「本部」や「本局」などに相当)
[編集] 税関の構成の変遷
- 当初は、税関は開港場所のみを管轄しており、日本全国のどの地域もどこかの税関の管轄区域になっている現在とは様相を異にしていた。
- 1890年9月8日 - 函館、新潟、横浜、大阪、神戸、長崎の6税関に初めて管轄区域を設定。
- ただし、管轄区域の表示は道府県ではなく旧国による表示であり、かつそれぞれの国域の沿岸のみを管轄。
- 1899年4月25日 - 管轄区域の表示を沿岸に限定せず、沿岸国全域に拡張。
- ただし、依然として信濃、美濃など内陸国は管轄区域に含まず。
- 1901年8月27日 - 大阪税関の管轄区域に内陸国としては初めて山城国を追加。
- 1902年11月5日 - 新潟税関を廃止。
- 新潟税関の管轄区域は、横浜、大阪、函館の各税関に分散。
- 1909年4月1日 - 函館税関の管轄区域に樺太を追加。
- 1909年11月5日 - 長崎税関の管轄区域の一部を分離させて、門司税関を新設。
- 1917年6月9日 - 管轄区域を旧国による表示から道府県による表示に改定。内陸県も管轄区域に追加。
- 1937年10月1日 - 横浜税関および大阪税関の管轄区域のそれぞれ一部を分離させて名古屋税関を新設。
- 1943年11月1日 - 海事行政一元化のため、税関業務を運輸通信省海運総局の地方部局たる海運局に統合させ、大蔵省の地方部局たる税関は廃止。
- 1946年6月1日 - 行政機構としての税関を復活。
- 函館、横浜、名古屋、大阪、神戸、門司の6税関を設置。
- 1953年8月1日 - 横浜税関の管轄区域の一部を分離させて東京税関を新設し、門司税関の管轄区域の一部を分離させて長崎税関を新設。
- 1972年5月15日 - 沖縄県を管轄する沖縄地区税関を新設。