空想生活
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空想生活(くうそうせいかつ)(cuusoo)はエレファントデザインが運用する商品開発コミュニティサイトである。デザイナーが提案した商品に対しユーザーの予約を開発前に集め、一定の票を集めたもののみが実際に商品化される、DTO と呼ばれる手法を特徴とする。
1997年、西山浩平と枡本洋典によって創業された。設立当初は空想家電と呼ばれていたが、2001年に家電以外のユーザーのニーズにこたえるために生活に改称した。メーカーが利益確保などの観点から開発を躊躇する商品でも、デザイナーがユーザーの予約を集めることによって説得力を増し、メーカーへの説得力を持たせた提案ができるようする手法を用いる。これにより、大衆的には受け入れられにくいが一定の人々からそのデザインや機能性に評価を受ける商品の開発が行われる。2000年には新領域部門でグッドデザイン賞を受賞した。
店頭で購入できないものをインターネットに入力しておくことでデザイナーがデザイン、メーカーが商品化してくれる可能性を開けてくれるところに意義があるものの、参加者が閾値を越えないとこれは現実的な解になり得ない。一方で、メーカーからの下請け的な仕事をもらう代わりに直接市場に働きかけて予約を集めることを可能にしているという意味で、デザイナーの職能を進化させているとされる。
片山正道による CIGARRO PC などが空想生活によって商品化された物として知られている。 この他、KDAによるコンパクトIHや小泉誠によるウインドーラジエーターが商品化されている。
DTOを手法として活用した事例としては無印良品のネットコミュニティがある。 無印良品の顧客の声を基に、商品開発プロジェクトが2001年より開始され、これまでに、持ち運びのできるあかり、 体にフィットするソファ、壁棚などが商品化され、店舗で通常の商品として扱われるようになっている。 2007年3月より、良品計画のサポートの基、無印良品の商品をユーザーがカスタマイズし、 人数が集まったら商品化するコミュニティサイト 空想無印 が開始。
同様のサービスは、ツールキット提供型、アイテム特化型、コンサルティング型に大別される。空想生活、tanomi.com,instructables.comがツールキット提供型として、threadless.com、 復刊ドットコムなどがアイテム特化型、そして、HYVEがコンサルティング型に該当する。
[編集] 関連項目
- ユーザーイノベーション
- Design To Order
- Collective Customer Consumption
- フランク・ピラー
- エリック・フォン・ヒッペル(en:eric von hippel)
- 小川進
- プロシューマー
- アルビン・トフラー