第一紀 (トールキン)
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第一紀(First Age、FAと略記)は、J・R・R・トールキンの小説『指輪物語』及び『シルマリルの物語』の世界に出てくる歴史の時代区分の一つである。『シルマリルの物語』の「クウェエンタ・シルマリルリオン」の話の大半はこの第一紀に入る。
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
第一紀は、初めて太陽が上りノルドールが中つ国のベレリアンドにやって来てから、モルゴスがヴァリノールの軍に敗れ、虚空へ追放されるまでの時代である。第一紀は上古とも呼ばれる。
第一紀は580年をちょうど越えるほど続き、トールキンの三つの時代の中で一番短い。
中つ国でのエルフ達の影響力は強く、人間達はこの時代に目覚めて出現したばかりであり、まだ弱い存在であった。
トールキンは、主にベレリアンドに生じた出来事について記述した。アングバンド軍と邪悪な人間に対して、シンダール、ノルドールおよびエダイン三家が戦った一連の戦いを中心にかかれている。その戦争は実際には第一紀より前、二本の木の時代に始まったが、ベレリアンドにノルドールが到着した後に新たにされた激怒から再開した。無数の一千年期の間ベレリアンドにエルフがいたが、かれらは、単に生き延びるように努力し、モルゴスはほとんどそれらと関係がなかった。一方、ノルドール、特にフェアノールの息子たちは、モルゴスを破るためにやって来た。
第一紀の主な合戦は次のとおり。
- ダゴール=ヌイン=ギリアス(星々の下の合戦、太陽の昇る前の戦いのためこう名づけられた)はノルドールの到着のすぐ後に戦われた。ヒスルムのノルドールの野営地を攻撃するために、モルゴスはアングバンドから襲撃部隊を派遣したが、エルフはそれを撃退した。フェアノールがバルログの首領ゴスモグに殺された。この戦いは、二つの木の時代に起こった戦いに続くベレリアンドの戦いの第二の合戦と考えられている。
- ダゴール・アグラレブ(赫々たる勝利の合戦)はノルドールの帰還の約75年後に起こった。モルゴスは再びノルドールを攻撃し、そしてまた成功しなかった。ノルドールは非常に大胆になり、アングバンドを包囲した。しかしながら、アングバンドの北側がエレド・エングリンの北側にあり接近できなかったので、その包囲は限られた有効性しかなかった。
- ダゴール・ブラゴルラハ(俄かに炎流るる合戦)は、モルゴスがアングバンドから火の川を注いで、包囲するノルドール軍を壊滅させて始まった。ノルドールは最後には防いだが、その被害は甚大だった。例えば、アルド=ガレンの緑の平原は、火の川によって永久に荒廃させられ、今やアンファウグリス(息の根を止める灰土の地)と呼ばれた。またエダインが居住していたドルソニオンの高地は荒れ果ててしまったた。
- ニアナイス・アルノイディアド(涙尽きざる合戦)はノルドールが始めた最初の戦いだった。エルフ、エダイン、およびフェアノールの息子と同盟したボールおよびウルファングの家から構成されていた。エルフおよび同盟軍はアングバンドにとても近くまで前進したが、モルゴスの策略がかれらの戦闘計画を混乱させ、ウルファングの裏切りが判明した。「涙尽きざる合戦」の名は、エルフの勝利の最後の可能性が破壊されたことに由来する。ヒスルムの土地は失われ、フェアノールの息子たちの大部分はばらばらになり、ベレリアンドの人口が激減した。モルゴスのオークはアンファウグリスの中心に多くのエルフおよび人間の死者の山を築いた。
- 怒りの戦いは、エアレンディルがヴァリノールに航海し、かれらが見捨てた人々を助けるようにヴァラールを説得した後、起こった。ヴァラールは、マイアールとヴァンヤールとヴァリノールにとどまったノルドールで構成された軍隊を召集した。テレリはベレリアンドのノルドールがなした古の攻撃により、援助を拒絶したが、かれらの有名な船でヴァラールの軍隊を送ることは承諾した。この戦いは接戦だった。しかし、ヴァラールは勝利した。モルゴスは捕らえられアルダから投げだされたが、かれの国とベレリアンドの大部分は戦いの熱の中で破壊され海の下に沈められた。
第一紀の年表も参照のこと。