粉粒体
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粉粒体(ふんりゅうたい、粉体(ふんたい)とも)とは、粉、粒などの集まったもの(集合体)。この集合体は、粉(粒)の間の空間(空隙)を占める媒質も含めて一つの集合体と考える。個々の粉、粒、一つ一つは固体であるが、集合体としては流体(液体)のように振舞う場合がある。砂の振る舞いは一つの例と言える。
粉は粒より小さく、粒は肉眼でその姿形を識別できる程度の大きさのものを言う。一方で、微粒子、微粉末という言い方も存在する。大雑把な区分をすれば10-2mから10-4m(数mm~0.1mm)を粒体とし、10-4mから10-9m(原子の大きさの数倍まで)を狭義の粉体とする。
粉体の例としては、ごく身近なものとしては砂があり、その他にも、セメント、小麦粉などの粉類、コロイド、磁性流体、磁気テープなどに塗布する磁性の(超)微粉末、業務用複写機などで使用するトナーなどがある。
粉体では、内部に比べてエネルギの大きい表面の面積の体積に対する比率が大きくなるため、たとえば見かけの融解熱が低下する。
また粉体は、物質によっては空気中で拡散すると爆発や異常な燃焼を起こすものもあるので、その扱いには注意が必要な場合がある。たとえば炭鉱における粉塵爆発や、小麦粉を用いた火炎放射器(兵器としてではなく、粉体の特徴を示すデモとして)が挙げられる。