繰り上げ
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繰り上げ(くりあげ)とは、諸原因によって上位の者が不適格となった場合に、下位の者の順位を上げて適格とすること、もしくは、自然に適格となるまで待たずに、先に適格と認めることをいう。
[編集] 順位を上げる繰り上げ
この種の繰り上げの例としてよく見られるものには、下記がある。
- 選挙
公務員などの選挙の場合、公職選挙法に基づいて、法定得票数を超えていた落選者の中で最下位当選者の次に得票をしていた候補を次点として置いたり、比例区の政党名簿における最下位当選者の次の順位の候補を次点として置いたりする。当選者が死亡したり、辞職したりして、枠が空いた場合に次点者を繰り上げ当選とする。
日本の選挙においては、比例区においてはその選挙において選ばれた議員の任期が終了するまで行うことができるが、参議院の選挙区選出議員や地方議会の議員については、選挙の日から3ヶ月に限られている。
なお、衆議院の小選挙区選出議員や地方公共団体の首長については原則として繰上補充は認められていない。
ただし、いずれの選挙においても、票が同数でくじで当選人を選んだ場合にかぎり、当選人の任期が終了するまで、欠員が生じた場合にくじに外れた者は繰上補充の対象となる。
- スポーツ
上位の入賞者に、ドーピングが認められたりして失格と成った場合、下位のものの順位を順に上げて、入賞者を定め直すという繰り上げが行われる。
[編集] 時間を早める繰り上げ
この種の繰り上げの例としてよく見られるものには、下記がある。
駅伝競走では、公道を使用してレースを行う場合が多く、コースを使用できる時間に制限があるため、走者がコースを走行するのに予定時間以上かかり、あらかじめ定めた時刻までに中継地点に着けない場合、次の走者に白い襷を持たせて、先に走らせる繰り上げスタートが行われる場合がある。繰り上げスタートしたチームの総所要時間は、後で繰り上げから前の走者の到着までの時間を加えて計算する。