草履
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草履(ぞうり)は、日本の伝統的な履物の一。明治時代以降に洋靴が普及するまで、日本で広く使用されていた。現代日本においては和服を着るときに使われる。
草履は畳の材料であるイグサで編み、これに鼻緒をつけたサンダル状のものである。高級なものは底の部分を数枚重ねてあり、何枚草履という呼ばれかたをした。現代では、男性用・女性用とも革、布、ビニール、エナメルなどで覆われた靴底(ソール)に同種の表をつけ、鼻緒を挿げている。古風なイグサの草履は、歌舞伎などの舞台用か、ごく一部の男性用として見かける程度に過ぎない。
最近では鼻緒付きの履物が見直され、特に子供の足を鍛えることに効果があるという意見も出たことで、子供になるべく下駄や草履をはかせることが注目される。特に2本の指で鼻緒を挟み、他の指で台を力強く踏ん張るため足指を使う、鼻緒を挟んでいる指の間を刺激する、体のバランスが良くなる、足裏の筋肉が鍛えられることで土踏まずの形成に効果があるといった長所があり、足をしめつけないため外反母趾の予防にもよく、また素足に履くことで足の開放につながることではだし教育と関連するとして幼稚園・保育園・小学校で指定の履物にするところもある。奈良県三郷町で生産される健康草履「ミサトっ子」がよく学校用として納入されるので有名である。
草履の裏に牛革を張り、鼻緒の留金をつけたものを雪駄という(主に男性用)。草履に似たかたちで、藁を材料とし、後部に足首に固定するための紐をくわえたものを草鞋(わらじ)と呼ぶ。
非常に良く似た形状のものにビーチサンダルがあり、俗称としてこれをも「草履」という場合がある。沖縄で多く使用されているビーチサンダルの一種に島ぞうりがある。通常100円-1000円程度の廉価で販売され、プールサイドや海岸で着用される。夏季にはビーチサンダルで外出、夕涼みをする光景も見られる。