幼稚園
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幼稚園(ようちえん、独・英:kindergarten、ドイツ語ではKが大文字)とは、満3歳から小学校就学までの幼児を保育し、年齢に相応しい適切な環境を整え、心身の発達を助長するための教育施設のことである。
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[編集] 概要
日本の場合、幼稚園は文部科学省所管の学校であり、大学までの教育体系の中の一環として組み込まれており、保育所は厚生労働省所管の児童福祉施設である。
日本の幼稚園における保育内容は、幼稚園教育要領の中に示されており、その内訳は「健康」、「人間関係」、「環境」、「言語」、「表現」となっている。施設設備については、幼稚園設置基準で定められている。
2005年現在、日本には13,949の幼稚園があり、うち国立49園、公立5,546園(うち都道府県立5園、市町村立・組合立5731園)、私立8,354園(うち学校法人立7255園)である。また沖縄県では小学校との併置になっていることが多い。
また特別支援学校には、幼稚園の課程に相当する幼稚部がおかれている。
さらに日本社会においては、幼稚園とは別に、小学校受験のための幼児教室や幼児教育研究所なども存在する。
[編集] 歴史
19世紀前半に活躍したドイツの幼児教育者、フリードリヒ・フレーベルが1840年に設立した小学校に上がる前の幼児のための学校が最初の幼稚園である。幼稚園という語は、彼の作った学校の名前であるKindergarten(フレーベルの造語)を翻訳して出来た。
ドイツ以外の国々でも、フレーベルに敬意を表してドイツ語からの外来語としてのkindergarten、kindergardenという表現を使う。ただし、最近ではアメリカ合衆国などではプレスクール(preschool)という言い方がよく見られるようになっている。ただしカリフォルニア州などではプレスクールは「幼稚園のさらに前の教育施設」として、preschool - pre-K (pre-kindergarten) - kndergarten - 1st grade -... という順序になっていることが多い(学校によって呼称・年限は異なる。公立教育はkindergartenから開始)。ちなみに保育所は、nursery schoolという。
実際にはフレーベルよりも数年早く、イギリスの産業革命の中で、子供の工場労働による健康障害と死亡率の高さに対し、空想的社会主義者といわれるロバート・オウエンが、幼児、子供のための性格形成学院を開校している。
ただし、現在の幼稚園の実態は、ほとんどがフレーベルの構想の中にあったもので、その意味では彼が幼稚園の生みの親といっても間違いない。ボール遊び、積み木(恩物)、お遊戯、砂場、鳥や小動物の飼育と触れ合い、母親の家事の手伝い、言葉遊び、学級花壇での花や野菜の栽培など、すべて体系的にフレーベルの著作の中にある。彼の『幼稚園教育学』(フレーベル全集 玉川大学出版部刊に収録)を参照のこと。
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
- 全日本私立幼稚園連合会
- 幼稚園ねっと 幼稚園と育児に関する情報サイト
- 幼稚園探し 各園の口コミや評判、感想など
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注1: 学校ではないが保育所はある。 |