血清
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血清(けっせい、serum)は、血液が凝固して上澄みにできる淡黄色の液体成分のこと。
血液を試験管に入れ放置すると、凝固して沈殿物(血餅)と液体(血清)に分かれる。血餅は細胞成分(赤血球、白血球、血小板)と線維素からなる。これをさらに遠心分離すると、血清と血餅を完全に分離できる。
血液から細胞成分を除いたものを血漿(けっしょう)といい、血漿から線維素原と凝固因子を(凝固によって)除いたものが血清である。
動物(馬など)に、毒素を無毒化・弱毒化した上で注射し、毒素に対する抗体を作らせる。血清療法は、この抗体を含む血清を、病気の治療や予防に用いる方法である。 例えば、マムシやハブの毒素に対する抗体を、馬に作らせる。マムシ等による咬傷の際、この血清を患者に投与して治療する。 ただし、馬血清はヒトにとって異物であるので、投与の際にはアナフィラキシー・ショックと遅延型アレルギーに対する十分な注意が必要である。
昔、アラスカでジフテリアが猛威を振るったとき、犬ぞりで血清を届けた話は有名。
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