補充形
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
補充形(ほじゅうけい)とは、語の活用において、活用形にまったく異なる語形が充てられることをいう。そこでは語の意味を表す語幹の形態素と文法的意味を表す語尾の形態素に区分することができない。
例えば、英語で過去時制を表すには{-ed}という形態素が使われ、asked、lived、visited…というように語幹の形態素と過去時制を表す形態素を分けることが可能である。しかし、goの過去形はwentであり、そこに過去時制を表す形態素を見いだすことはできない。ここでwentはgo+edに対する補充形ということになる。
また日本語の「する」を見ると、
- 尊敬「お~になる」「れる・られる」→「なさる」
- 謙譲「お~する」→「いたす」
- 可能「-eる・られる」→「できる」
といった補充形が用いられている。