襞襟
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襞襟(ひだえり)(英:Ruff 仏:Fraise) は、洋服のシャツ、ブラウス等の襟の仕立て方の1つ。
ことに16世紀後半~17世紀前半のヨーロッパ諸国において、王侯貴族や富裕な市民の間で流行した。
元来は、襟元の服と肌やひげなどが直接触れる部分の清潔を保つという実用的な機能を持つものであったが、次第にその大きさ、仕上げの精巧さが競われるようになり、果ては半径数10センチになろうかという蛇腹状の円盤が首を覆う様相を呈するに至った。
戦国時代~江戸初期の日本でも、南蛮貿易にともなってもちこまれた「南蛮装束」のひとつとして、大名や富裕な商人の間で大いに流行した。そのため、この時代南蛮貿易やキリシタンにかかわった人物を描写する際(時代劇の俳優の衣装や、銅像・イラスト・キャラクター商品等)の重要な衣装小道具のひとつとなっている。例:天草四郎の銅像・イラスト等[1]
イングランド女王エリザベス1世 |
[編集] 参考文献
- 丹野郁『南蛮服飾の研究 西洋衣服の日本衣服文化に与えた影響』雄山閣出版、1976年(復刻新装版、1993年)。
- 丹野郁『西洋服飾史 図説編』東京堂出版、2003年。