財務諸表監査
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財務諸表監査(ざいむしょひょうかんさ)とは、公認会計士が財務諸表に対して行う監査のことを言う。
監査とは、経済活動及び経済事象に関する情報と、特定の基準とがどの程度合致しているか確かめるために、これらの情報についての証拠を客観的に入手し、評価し、さらにその結果を情報の利用者に伝達する体系的なプロセスである。
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[編集] 財務諸表監査の目的
財務諸表監査の目的は、経営者の作成した財務諸表が、一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して、企業の財政状態、経営成績及びキャッシュフローの状況をすべての重要な点において適正に表示しているかどうかについて、監査人が自ら入手した監査証拠に基づいて判断した結果を意見として表明することにある。(監査基準 第一前段)
財務諸表監査の表示が適正である旨の監査人の意見は、財務諸表には、全体として重要な虚偽の表示がないということについて、合理的な保証を得たとの監査人の判断を含んでいる。(監査基準 第一後段)
すなわち、重要でない虚偽の表示については、監査人の判断や意見表明から除外される。また保証についても絶対的な水準で行われるのではなく合理的な水準で行われる所に特徴がある。
[編集] 財務諸表監査に関連する用語
[編集] 監査証拠
監査証拠とは、監査意見を形成するに足る合理的な基礎を得るために入手した全ての情報をいう。
[編集] 監査意見
監査意見とは、監査人が、監査報告書において、一般に公正妥当と認められる監査の基準に準拠して監査を実施した結果を結果として表明する意見をいう。
無限定適正意見、限定付適正意見、不適正意見、意見拒否のいずれかとして表明される。
[編集] 合理的な基礎
合理的な基礎とは、入手した十分かつ適切な監査証拠を総括的に吟味して得た、財務諸表全体に関する自己の意見を形成するに足る基礎をいう。
[編集] 合理的な保証
合理的な保証とは、監査人が一般に公正妥当と認められる監査の基準に従って監査を実施した結果として、監査の限界のもとで、財務諸表には全体として重要な虚偽の表示がないことについて得た絶対的ではないが相当に高い程度の心証を言う。
[編集] 虚偽の表示
虚偽の表示とは、財務諸表において不正又は誤謬に起因する誤りをいい、開示や注記における誤り及びこれらの脱漏も含む。
[編集] 無限定適正意見
無限定適正意見とは、経営者の作成した財務諸表が、一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して、企業の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況を全ての重要な点において適正に表示していると監査人が判断したときに、表明する意見をいう。
[編集] 限定付適正意見
限定付適正意見とは、除外事項の影響により無限定適正意見を表明することができないが、財務諸表を全体として虚偽の表示にあたるとするほどではないか又は意見を表明しないとするほどではないと監査人が判断したときに、表明する意見を言う。
[編集] 意見差控
意見差控とは、監査人が、監査報告に当たって、自己の意見を形成するに足る合理的な基礎を得ることが出来なかったことにより意見を表明しないことをいう。
[編集] 監査の限界
監査の限界とは、財務諸表の作成には経営者による見積りや判断が多く含まれていること、内部統制には状況によっては機能しないという限界があること、監査が原則として試査により実施されること、また、監査人が入手する監査証拠の多くは絶対的なものではなく心証的なものであること、職業的専門家としての判断を多くの局面で要求されること等をいう。