貯蓄銀行
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
貯蓄銀行(ちょちくぎんこう)とは、大衆の零細貯金を扱うことに特化した銀行のことである。
日本では1890年に東京貯蔵銀行が開業したのを嚆矢とする。同年公布、1893年施行の「貯蓄銀行条例」により制度が定められた。これを契機に多くの貯蓄銀行が設立されたが、1922年に「貯蓄銀行法」が施行され、兼業禁止や独立性の維持が求められ、運用面でも地方公共団体以外への貸出を禁じ主として株式や債券市場での運用を強要される等厳しい条件が定められると、多くは普通銀行へ転換した。1943年に普通銀行の貯蓄銀行業務兼業が認められると普通銀行への吸収合併が進み、1949年1月に青森貯蓄銀行が普通銀行「青和銀行」へ転換(現在のみちのく銀行)したのを最後に貯蓄銀行はなくなった。
この結果、日本に2004年現在存在する貯蓄金融機関は郵便貯金のみとなった。郵便貯金は世界貯蓄銀行協会(WSBI)にも加盟している、世界最大の貯蓄銀行である。