超臨界流体
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超臨界流体(ちょうりんかいりゅうたい, supercritical fluid)とは、臨界点以上の温度・圧力下においた物質の状態のこと。気体の拡散性と、液体の溶解性を持つ。
[編集] 用途
超臨界流体としてよく使用される物質は、水と二酸化炭素である。
超臨界流体の水は金でさえ溶解し、安定な物質であるセルロースやダイオキシンも超臨界水中では分解するといわれている。
また、超臨界状態の二酸化炭素は、様々な物質をよく溶解する。目的物を溶解した超臨界二酸化炭素を臨界点以下にすると、二酸化炭素は気化して飛散するので、後には溶質のみが残る。飛散した二酸化炭素は回収して再利用が可能である。このプロセスは実際にコーヒーの脱カフェインなどに使用されている。
以上のように、超臨界流体を使用したプロセスは従来の重金属や強酸などの触媒を使ったプロセスや可燃性や毒性のある溶媒をこのプロセスに置き換えることで、環境に対する影響を低減させる特徴を持つ。そのため、グリーンサスティナブルケミストリーの視点から注目を集めている。