転向 (気象)
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転向(てんこう)とは西寄りに進んでいた台風が東寄りまたは北寄りに進路を変えることである。
台風は大まかに見れば北上する。そして、夏季にとくに顕著になる小笠原高気圧の周囲に沿って移動するものが多い。
低緯度で発生した台風、熱帯低気圧は小笠原高気圧の南に位置しており、その付近には北東貿易風が吹いている。この貿易風により台風は西寄りに進みながら少しずつ北上する。そして、ある位置にくると今度は高気圧の北側に位置するようになる。そこでは偏西風が吹いており、台風はこの風に乗って東寄りに進路をとるようになる。これを台風の転向といい、この進路が変わる地点を転向点という。
転向点付近ではほとんど停滞することがあり、付近では長くとどまる台風のために甚大な被害が出ることもある。しかし、転向後の台風は転向前より移動速度を上げるものが多い。これは貿易風より偏西風のほうが速度が大きいからである。ごく稀に時速100kmにも達する台風もある。