野田事件
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野田事件(のだじけん)とは、1979年9月11日、千葉県野田市で発生した幼女殺人事件。近所に住む知的障害を持つ男性が容疑者として逮捕される。唯一の物証とされた被害者のカバンが、警察によって捏造された疑いがもたれている。
[編集] 事件の概要
- 遺体の発見状況から、警察は「変質者」による犯行と断定。
- 遺体発見現場近くに住む知的障害の男性の家に、「内偵」と称して上がり込み捜査を行う。
- 事件発生から18日目の9月29日、男性を逮捕。
- 懲役12年の有罪判決。
- 1993年12月20日、上告棄却決定。
- 1994年8月14日、刑期満了で出所。
[編集] 冤罪の疑い
- 事件翌々日の9月13日、警察は被害者の手提げカバンを他の持ち物と一緒に発見した。
- 赤いカバンの裏側の一部、被害者の住所と名前が書かれていた部分だけが切り取られていた。
- 逮捕された容疑者が自白したとおり、切り取ったカバンの一部が見つかった。切り口も一致した。
- 1992年3月、事件当時に公開された被害者のカバンの写真と、現在警察が証拠品として保管しているカバンに相違点が発見された。
- 当時の人気キャラクターのカバンであり、コピー製品が氾濫していた。警察保管のものは商標登録も明示された正規品、被害者のカバンはコピー製品と思われる。
- 上記から、容疑者からカバンの切片のありかを聞き出せなかった警察が、新たにカバンを用意して切片を切り取り、本来の証拠品のカバンと入れ替えた上で、自白によってカバン切片を容疑者の男性の持ち物から「発見」したのではないかと疑われる。
- しかし事件当時のカバンの写真がややピンボケだったため、裁判ではこの点が認められなかった。