冤罪
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
冤罪(えんざい)とは、捜査や裁判の過程に問題が指摘されている刑事事件、およびその捜査・裁判の過程の問題を広範に意味する言葉。「無実であるのに犯罪者として扱われること」を指し、推定無罪の原則からすると、裁判において有罪とされ、この判決が確定の場合に限るべきである。日本では、起訴有罪率の高さから、「起訴された」イコール「犯罪者」と認識されやすく、裁判の結果無罪となった場合も冤罪と呼ばれるが、本来は誤用と言うべきである。このような、俗語としての冤罪については、誤認逮捕、報道被害も参照。
目次 |
[編集] 概要
[編集] 原因
冤罪が生じてしまう原因は多々あるが、古くから問題とされてきたのは捜査機関をはじめとした国家によって作られる冤罪である。捜査機関が、行き過ぎた見込み捜査や政治的意図などから、ある人を犯人に仕立て上げてしまうという類型である。日本の刑事訴訟法旧法に見られたような、裁判における“自白は証拠の王”と見做す考え方が、真実の裏づけを後回しにした自白獲得のための取調べを招き、虚偽自白を誘引することによって冤罪が発生する。特に科学的捜査方法が確立される以前には捜査能力の限界から、先入観をもった捜査による冤罪が発生する可能性が高かったが、科学的捜査方法が導入されたあとも冤罪がなくなったわけではない。日本には現在でも代用監獄と呼ばれる近代国家としては極めて特異で問題が大きいとされる取調べ体制が公的に存在しており、司法当局の求める自白を容易に引き出される危険が大きいことが強く指摘されており、冤罪の温床となっている。また、こういった捜査機関の暴走を引き起こす遠因として、着実な捜査よりも速やかな容疑者の逮捕などを求めるマスメディア報道や、そういった誘導に引きずられる国民世論などの問題も指摘されている。
捜査機関以外の私人の行為が原因となって冤罪が発生する場合もある。例えば、真犯人が自分の刑を軽くするために、他人に罪をなすりつける(梅田事件等)ことがある。
また冤罪に対する補償の低さも問題で、(捜査、起訴の違法性を補償の要件としない)刑事補償法においては拘束1日につき1000円~12500円(金額は補償請求を受理した裁判所の裁量により決定される)しか認められない。これは、仮に10年服役しても約365万円~4566万円しか補償されないということである。最高では年450万円超となるとはいえ、それは捜査機関の故意による冤罪、死刑囚拘置など、最悪の条件が重なった場合の話であり、その場合でも24時間拘束であることを考慮すれば、最低賃金を下回る『時給』であり、充分な補償とは到底言い難い。
[編集] 冤罪被害
当該犯罪とは無関係のものが有罪判決を受けた場合には、再審によって無罪が確定されるまで有罪として扱われるため、本人や家族は経済的損害を受け、また犯罪者とその家族とのそしりや差別を受けることがままある。
目に見える被害ではないが、犯罪が発生した場合においては、真犯人が法の裁きを受けない問題も発生する。
[編集] 予防と対処
[編集] 冤罪の予防
必ずしも機能しているとは言いがたいが、冤罪を予防するため刑事手続上様々な制度が整備されている。日本では、たとえば以下のような手続きが定められている。
まず、捜査機関による捜査に一定の歯止めをかけることで冤罪を予防しようという試みがある。日本の場合、日本国憲法および刑事訴訟法における自白法則と補強法則の採用が冤罪防止に一定の役割を果たしている。
- 自白法則とは拷問や脅迫などによって引き出された任意性のない自白は証拠とすることができないという原則(日本国憲法第38条第2項、刑事訴訟法第319条1項)である。また、補強法則は自白を証拠として偏重すると苛烈な取り調べによって虚偽の自白が引き出され、冤罪が発生するおそれがあるため、自白のみによって、被告人を有罪とすることは出来ないという原則(日本国憲法第38条第3項、刑事訴訟法第319条第2項)である。
また、起訴された際には予断排除の原則(起訴状一本主義など)により、捜査機関の嫌疑から裁判所を遮断することで、当該犯罪とは無関係のものの有罪判決を防止するための制度設計がなされている。
しかし、現在でも依然として冤罪事件が発生しており、その多くで違法・不当な取調べが指摘されていることから、取調べを可視化すべきだという主張がなされている。これは、取調べの全過程を録画・録音することで、違法な取調べがあったかどうかを検証できるようにすべきだというものであり、冤罪防止に一定の効果があるものとされる。しかし、すべての過程を可視化することにより、被疑者が自白をためらう可能性があるなどの反対意見もある。
[編集] 冤罪からの回復手段
裁判手続を経て有罪判決が確定してしまった場合でも、再審制度によって救済される道が開かれている。法的な意味での冤罪からの回復は、この方法によることが必要である。
また、金銭的な回復手段として、誤認逮捕をされた者は被疑者補償規定による補償、起訴されたが無罪判決を受けた者は日本国憲法第40条を受けて立法された刑事補償法による補償を求めることができる。また、あまりに不当な逮捕や起訴であり、逮捕や起訴が違法である場合には、国家賠償法による損害賠償を求めることができる。
なお、刑事補償の対象となるのはあくまで裁判で「無罪」となった者であり、「無実の冤罪被害者」とイコールではない。不当に長期にわたる拘留があったとしても、起訴に至らなかった被疑者や(たとえ別件逮捕の微罪であっても)「有罪」となった被告人は補償の対象とはならない(真犯人が名乗り出たにも関わらず再審請求が認められないこともある)。一方、裁判で犯行事実が認定されても心神喪失等で「無罪」となれば補償の対象となる。
冤罪の原因が私人である場合には不法行為による損害賠償請求という事後的な金銭的救済による対処が主となる。マスメディアによる報道被害の場合も基本的に同様であるが、マスメディア自身による救済機関を設けるなどしていることもある。
[編集] その他
- 弘前大教授夫人殺し事件のように時効成立後、真犯人が良心の呵責に耐えられず、自首するケースが存在する。しかしながら現在は時効成立後、民事上の損害賠償を請求する訴訟が多発し、真犯人が名乗り出にくい状況になっていることは否めない。
- 日本では検察官に無罪判決に対する上訴が認められているために、一審で無罪を勝ち取ったとしても、上訴審で逆転有罪判決、逆転死刑判決(例:名張毒ぶどう酒事件)を受ける場合もある。
- 最近では、軽微な痴漢行為も犯罪であるという一般的認識が確立し、従来は厳重注意・微罪処分で済まされていたものが逮捕・検挙されるケースが増加した。だが、これに伴って、痴漢をしていないのに誤って処分されるという「痴漢冤罪」が発生している。(詳細は痴漢冤罪事件を参照)
- 死刑廃止を求める理由として、冤罪が挙げられる。
[編集] 主な冤罪事件及び冤罪と疑われている事件
[編集] 日本
前述した通り、無罪判決であっても犯罪者として扱われる傾向にあるので、斜体で含めて記載してある。
[編集] 旧刑事訴訟法下
- 1908年 - 出歯亀事件:証拠は一時的な自白のみで、真相不明。
- 1910年 - 大逆事件(幸徳事件)
- 1913年 - 吉田岩窟王事件:発生から50年後、再審による無罪判決。
- 1915年 - 加藤老事件:発生から62年後、再審による無罪判決。
- 1928年 - 山本老事件:第三次再審請求棄却。
- 1941年 - 浜松連続殺人事件(浜松事件):冤罪の疑いがもたれていたが、死刑が執行された。
- 1942年 - 横浜事件:検挙から63年後、再審開始。
- 1944年 - 金森事件:発生から26年後、再審による無罪判決。
- 1946年 -
- 1947年 - 福岡事件:発生から29年後、被疑者2人に対し唐突な死刑執行と恩赦。
- 1948年 -
- 1949年 -
- 三鷹事件:無実を主張し、再審を請求したが獄死。
- 松川事件:発生から14年後、最高裁で被告全員に無罪判決。
- 弘前大教授夫人殺し事件(弘前事件):服役終了後に真犯人が自白し、発生から28年後、再審による無罪判決。証拠は警察の捏造。
[編集] 新刑事訴訟法下
- 1950年 -
- 1951年 -
- 八海事件:一旦無罪判決後、高裁に差し戻され、その後最高裁にて再び無罪判決(発生から17年後)。
- 藤本事件(菊池事件):被疑者に対して唐突に死刑執行。
- 池内事件:真犯人が現れ一審で無罪。
- 観音堂事件:再審で無罪。
- 1952年 -
- 1953年 -
- 徳島ラジオ商殺人事件(徳島事件):発生から32年後、日本初の死後再審無罪判決。
- 石和事件:二審の東京高裁で無罪。
- 1954年 -
- 1955年 -
- 1961年 -
- 1962年 - 江津事件:再審請求を続けるも被疑者が死亡。
- 1963年 -
- 1965年
- 蛸島事件:金沢地方裁判所七尾支部で無罪判決。
- 六甲山事件:二審の大阪高裁で無罪。
- デザイナー誘拐殺人事件(山川事件):主犯が別にいると主張。
- 1966年 -
- 袴田事件:無罪を訴え、現在特別抗告中。
- 川端町事件(マルヨ無線強盗放火殺人事件,尾田事件):一部無罪を訴え、現在も再審請求中。「一部無罪」にも再審請求は受け入れるべきとの判断が出た。
- 千葉大学腸チフス菌事件:冤罪の可能性を指摘されているが、再審請求は行っていない。
- 1969年 - 鹿児島夫婦殺し事件(高隈事件):差戻審で無罪判決確定。国家賠償訴訟の最中に被告人は死亡(国家賠償が認められた)。
- 1967年 -
- 1970年 -
- 1971年 - 三崎事件:無罪を訴え、再審請求中。
- 1972年 - 山中事件:最高裁から高裁へと差し戻され、無罪判決(発生から18年後)。
- 1974年 - 甲山事件:発生から25年後、第二次控訴審で無罪。三度の無罪判決。
- 1975年 - 遠藤事件:最高裁で、下級審の判断を否定して無罪判決。
- 1976年 - 北海道道庁爆破事件:無罪を訴え、再審請求中。
- 1979年 -
- 野田事件:無罪を訴え、再審請求中。
- 貝塚ビニールハウス殺人事件(貝塚事件):事件に関与したとされた少年全員に逆転無罪。内、一人は再審で無罪。
- 大崎事件:一度は再審が受理されたものの、再審が棄却された。
- 1980年 - 宮代事件:埼玉県で発生した母子殺人事件。被疑者の一人には死刑判決。被害者の家族が犯行を自白しており、冤罪の可能性が指摘されている。
- 1981年 -
- 1984年 -
- 城丸君事件:二審の札幌高裁で無罪判決。
- 山下事件:一審の横浜地裁で無罪判決。
- 日野町事件:無期懲役が確定し現在服役している。再審請求中。
- 1985年 -
- 草加事件:無罪を訴え、保護処分取り消しを3度申し立てるが退けられる。
- 高松事件:冤罪の疑いがもたれている。
- お茶の水女子大寮事件(お茶の水女子大寮強盗強姦未遂事件):自白の信用性が争点となったが一審の東京地裁で無罪。
- 1986年 - 大手町事件:捏造の証拠を基に起訴。無期懲役。
- 1988年 -
- 綾瀬母子殺人事件:事件に関与したとされる少年らにアリバイがあり無罪。
- 福井女子中学生殺人事件(前川事件):一審の福井地裁で無罪になるも、二審の名古屋高裁で有罪。
- 星野事件:1999年に有罪が確定。無実を訴えている。
- 1989年 -
- 北方事件(水曜日の絞殺魔事件):証拠が無いとして地裁並びに高裁で無罪判決(発生から16年後)。
- 1990年 - 足利事件:日弁連が再審支援事件を決定。弁護団が2002年12月25日に弁護団が、宇都宮地裁に再審を請求、受理。
- 1991年 - 浜松幼児殺人事件(浜松幼児変死事件):出所後に実名で記者会見し、東京高裁に再審を請求。
- 1992年 - メルボルン事件:オーストラリアで覚醒剤を密輸した疑いで有罪判決。冤罪を主張している。
- 1993年 - 調布事件:刑事補償法に基づく補償請求が認められている。
- 1994年 -
- 1995年 - 東住吉事件:冤罪を訴え、再審準備中。
- 1997年 -
- 神戸連続児童殺傷事件:警察発表に矛盾や不自然な点が少なくないため、冤罪を主張する人々がいる。
- 長崎事件:痴漢冤罪として無罪を訴える。
- 東電OL殺人事件:ネパール人男性が一審の東京地裁で無罪になるも、二審の東京高裁で有罪判決。再審請求中。
- ロザール事件:違法捜査が指摘されているが有罪判決。
- 1998年 - 宇和島事件:翌年に窃盗・詐欺容疑で逮捕・起訴。2000年に真犯人が判明し、検察が無罪論告、無罪判決。
- 1999年 - マイ・マジェスティ事件:政治活動家の外山恒一が、この年に起こした軽微な傷害事件で一年以上を経て在宅起訴された。立件の経緯に納得できない被告人が「法廷侮辱」を繰り返し、実刑判決(2001年・福岡地裁)が言い渡された事例。2002年に最高裁で一審判決が確定。
- 2000年 -
- 恵庭OL殺人事件:被告は無実を主張し続けたが有罪確定。
- 2001年 - 佐賀市農協背任事件:二審の福岡高裁で無罪。又、佐賀地検の検事による取り調べの際の暴言も話題に。
- 2002年 -
- 御殿場事件:有罪確定。再審請求中(一名については沼津家庭裁判所にて再審が決定)。
- 富山連続婦女暴行事件:犯人とされた男性が刑に服し出所した後になって真犯人が発見された事件。地検が無罪を求めて再審請求。
- 2003年 -
- 志布志事件(鹿児島事件):2007年、鹿児島地裁で被告全員に無罪判決。県議選を巡る公選法違反の容疑で自白を強要。検察側が控訴を断念。12人全員が無罪に
- 2004年 -
- 2005年 - 世田谷ひき逃げ事件:犯人とされた人の友人が真犯人の物証を発見。06年検察が無罪論告、無罪判決。
[編集] 諸国
- 1894年 - ドレフュス事件:発生から12年後に再審で無罪判決。
- 1919年~1920年 - サッコ・バンゼッティ事件:死刑執行から50年後、裁判の不公正が認定。ただし真相は不明。
- 1932年 - チャールズ・リンドバーグの長男誘拐殺人事件:無罪を主張するが、処刑された。
- 1949年 - エヴァンス事件:被疑者の死刑執行後、別の容疑者が犯行を自供。ただし真相は不明。
- 1950年 - ローゼンバーグ事件:「原爆スパイ」として夫妻が死刑執行された。夫はスパイ行為を働いていたことが後に確認されたが、妻についてはなお冤罪の疑惑が残る。架空の自白をして妻の罪を重くしたことを関係者が2001年に告白。
- 1954年 - シェパード夫人殺害事件:映画化されたTVドラマ『逃亡者』のモデルとなった事件。サム・シェパード医師の死後、DNA鑑定により正式に無罪と認定。(en:Sam Sheppard)
- 1961年 - A6殺人事件(ハンラッティ事件):決定的な証拠も得られぬまま有罪、死刑執行。ただしその後の遺留品のDNA鑑定により犯人であったと断定された。(en:James Hanratty)
- 1966年 - ルービン・カーター事件:発生から19年後に無罪判決。
- 1993年 - ウエスト・メンフィス3事件
[編集] 冤罪を扱った作品
[編集] 冤罪がテーマの作品
- 映画『真昼の暗黒』(日本、1956年、八海事件がモデル)
- 映画『松川事件』(日本、1961年)
- 映画『それでもボクはやってない』(日本、2007年公開、痴漢冤罪が題材)
- 映画『出獄』(アメリカ)
- 映画『死刑台のメロディ』(アメリカ、サッコ・バンゼッティ事件)
- 演劇『テレビは何を伝えたか』(松本美須々ヶ丘高校、『日本の黒い夏―冤罪』原作)
- 小説『湿原』(加賀乙彦)
- 小説『13階段』(高野和明)
- 小説『涙流れるままに』(島田荘司)
- 評論『最低ですかーっ!』(外山恒一、2004年、「獄中手記」を含む)
- エッセイ『ぼくは痴漢じゃない!―冤罪事件643日の記録』(鈴木健夫)
- ゲーム『タイムクライシス プロジェクトタイタン』(日本、2001年、ナムコのガンシューティングゲーム)
[編集] 冤罪に関連した作品
- 映画『ダブル・ジョパディー』(アメリカ)
- 映画『逃亡者』(アメリカ)
- 映画『10番街の殺人』(イギリス、エヴァンス事件がモデル)
- 小説『霖雨の時計台』(西村寿行)
- 映画『ザ・ハリケーン』(アメリカ、ルービン・カーター事件がモデル)
- 映画『ショーシャンクの空に』(アメリカ)
- 映画『グリーンマイル』(アメリカ)
- 映画『トゥルー・クライム』(アメリカ)
- ゲーム『ボンバーマンII』(日本)
[編集] 関連する制度(法律)
- 日本国憲法第40条
- 「何人も、抑留又は拘禁された後、無罪の裁判を受けたときは、法律の定めるところにより、国にその補償を求めることができる。」(刑事補償請求権)
- 刑事補償法
- 被疑者補償規定(法務省の訓令:逮捕されて、起訴されなかった場合に適用)
[編集] 俗語としての冤罪
逮捕され被疑者として扱われたり、起訴され刑事裁判を受けたりした段階では、いまだ有罪判決を受けたわけではないため、法的には無罪の推定が働いている。しかしながら、このような場合に無実であっても、世間からは犯罪者として認識されてそしりや差別をうける場合がある。本人や家族の精神的苦痛は冤罪の場合と同じであり、しばしば冤罪事件と呼ばれる。また、無実を主張して係争中の場合であっても、冤罪事件と呼ぶのが、主張が通じやすいと考えて「冤罪」を使用する場合もある。
マスメディアの発展に伴い、「容疑者」としてセンセーショナルに報道され、あたかも犯罪者であることが証明されたかのように扱われ(メディア・パニッシュメント)、経済的損害や精神的苦痛を受ける場合がある。このような場合にまで、世間の興味を引くために「冤罪」が使用される場合がある。
近年では、マスコミ報道における痴漢報道の顕在化によって、各種痴漢事件等においては、おおむね逮捕された被疑者が犯罪事実の有非を問わずその社会的信用を逮捕即時に失墜する傾向を捉えて、悪意をもった女性が、さも痴漢の被害を受けたかのようにふるまって対象とする男性に向けて精神的圧迫を行い、示談と称して慰謝料名目の金銭を要求したり、これが成立しない場合には提訴して審理を和解に導き相手から金銭を得ようと企図したり、これに準じて私怨から相手に対する社会的評価を貶めようとする事件が発生しているとの説も生じている。無実を主張して、状況を説明するのにしばしば「冤罪」が使用される。状況説明に使用するのは、犯罪とは無関係の、身に覚えが無いのに解雇された等の不利益を受けた場合もある。
その他、インターネットの発達により、全く別人であるのにも関わらず自分の顔写真を犯人であるとして流布させられるという被害も発生している。特に少年事件の場合には顔写真が公開されないのが通常であり、関心が高まる分被害も拡大している。
[編集] 参考文献
- 『冤罪はこうして作られる』(小田中聡樹)
- 『冤罪の構図―やったのはおまえだ』(江川紹子)
- 『魔の時間―六つの冤罪事件』(青地晨)
- 『自白の心理学』(浜田寿美男)岩波新書 :ISBN 9784004307211
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
- 冤罪事件関係データベース(「ふろむ北海道」内)