金剛代艦型戦艦
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金剛代艦(こんごうだいかん)とは、老朽化した金剛を置き換える事を目的として計画され、藤本喜久雄造船少将と平賀譲造船中将がそれぞれ設計案を提出した高速戦艦である。 結果として建造は行われなかったが、両者の設計案は後の大和型戦艦に影響を与えたと言われている。
目次 |
[編集] 要目
- 排水量70000t以上(推測)
- 兵装 50センチ砲12門三連装砲(推測)
- 15センチ砲16門 単装砲を片舷8門(推測)
- 12・7センチ単装高角砲10門 片舷5門(推測)
- 25mm連装機関銃10機20門
- 航空機12機
- 射出機3門
- 装甲 380mm
- 速力 30ノット
- 機関 ディーゼル機関140000馬力
- 乗員 不明。約4500人(推測)
実際に建造されていると、戦艦大和以上の超大艦となっていたことが推測される。恐らく全長400mは優に超えていたであろう。
[編集] 藤本案計画時
藤本案は、平時に軍縮条約に抵触しない覆面軍艦として建造。
- 満載排水量 39250t 基準排水量 35000t
- 長さ 237m
- 幅 32m
- 機関 四軸減速タービン73000shp
- 速力 26ノット
- 兵装 40㎝砲9門三連装3基(推測)
- 15㎝砲12門(推測)
- 12・7㎝連装砲高角砲8門(推測)
- 61センチ固定式魚雷2門
- 航空機 2機
- 射出機 1基
条約失効後
- 艦尾を24m延長。(全長261m)
- 主砲塔を1基増設。40cm砲三連装3基を46cm砲連装4基8門に換装。
- 後部副砲群を除去、機関を強化。
速力30ノットの高速戦艦に改装するというもの。
[編集] 平賀案計画時
平賀案は建造されていたならば、恐らく戦艦加賀や巡洋戦艦天城、戦艦紀伊のような艦形になっていたことが推測される。
- 満載排水量 39200t 基準排水量 35000t
- 長さ 232m
- 幅 32m
- 機関 三軸減速タービン80000shp
- 速力 26.5ノット
- 兵装 40㎝砲10門連装、三連装各2(推測)
- 15㎝単装砲16門(推測)
- 12・7㎝連装高角砲8門(推測)
- 61センチ固定式魚雷2門
- 航空機 2機
- 射出機 1基
両者の設計案を比較すると、藤本案がバイタルパートを船体全長に行き渡らせているのに対し、平賀案は集中防御を徹底させている保守的なものであった。
当時平賀は内部対立により艦船設計の大基である艦政本部第四部から海軍技術研究所の造船研究部長という閑職に左遷されており、平賀案は藤本案を良しとしない平賀が勝手に作成した私案であったと言われている。 藤本案という艦政本部の公案と、多大な功績を残しているとはいえ左遷された一軍人の個人案が中央で比較検討されたということからも(中央を混乱させたとする批判的な指摘もあるが)、平賀譲という人物の影響力が窺い知れる。
[編集] 関連項目
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