鍾乳石
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鍾乳石もしくはつらら石(英:stalactite (ギリシャ stalaktos, (Σταλακτίτης), "dripping" or "dropped"), 若しくはdripstone) は、鍾乳洞の壁や天井から垂れ下がる「二次生成物」speleothemの一種である。
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[編集] 成因
鍾乳石は、鉱物質を含んだ水溶液が天井面から落下する際に、炭酸カルシウムなどの沈殿物を濃集させ、天井面から下がるつらら状の棒を発達させることにより生成される。
あらゆる鍾乳石は、ミネラルで飽和した一粒の雫がもとになる。水がしたたりおちるとき、方解石で出来たとても細いリングを後に残す。後から後から垂れてくる滴はそれぞれ別々に方解石のリングを形づくり、それらが独立して伸びていく。結局、これらのリングはとても細い(0.5mm)、鍾乳管(ソーダストロー)として良く知られている中空の管の様な鍾乳石を作り出す。ソーダストローはとても長く成長することがあるが、それらはとても脆い。もしそれらが破片によってふさがれてしまったら、水は外側を流れ始め、より沢山の方解石を集積させてさらに一般的な円錐形の鍾乳石を作りはじめる。
[編集] 鍾乳石・石筍・石柱
鍾乳石の先端から落ちる水滴は、直下の床面により多くの方解石を集積し、最終的にはドーム型ないし円錐形の突起物を形作る。これを、石のタケノコ、石筍(せきじゅん)という。鍾乳石とは違い、石筍は、その初期段階において、方解石で出来た中空の薄い管が形成されない。鍾乳石は下方に伸び、石筍は上方に成長し、長い時間をかけて天井と床面が柱状に連結することもある。そうなったものを石柱と言う。
[編集] 世界記録
最長の鍾乳石は、ブラジルはミナス・ジェライス州 セテ・ラゴアス市(en:Sete Lagoas)にある、 グルータ・レイ・ド・マト洞 (en:Gruta Rei do Mato)(ポルトガル語で「森の王の洞窟」の意)にあるChamber of Rarities(「珍奇の部屋」の意)にあるものが知られている。それは20メートルもの長さがある。
[編集] コンクリート建築に出来るつらら石
鍾乳石と石筍はコンクリート建築の天井や床面にも形づくられる。しかしながら、その形成スピードは天然の洞窟の環境で作られるよりコンクリート建築で作られる方がずっと速い。
[編集] 覚え歌
英単語では、天井から垂れる鍾乳石を"stalaCTite"、床面から伸びてくる石筍を"stalaGMite"とよび、なかなか覚えづらい。そこで、いくつか、こうした違いを覚えるための記憶法、数え歌のようなものがある。
原文:
* StalaCtite has a "c" for "ceiling". * StalaGmite has a "g" for "ground".
* Stalactite is stretched "tite" (tight) by hanging from the ceiling. * Stalactites have to hang on tight to the ceiling. * Stalagmites might reach the ceiling. * Stalagmite pushes up with all its "mite" (might) from the floor.
* "When the mites go up, the "tites" (tights) come down".
和訳:
* 鍾乳石(StalaCtite)には天井 "ceiling"の "c" がある。 * 石筍(StalaGmite)には地面 "ground"の "g" がある。
* 鍾乳石(Stalactite)は天井から垂れ下がって細く "tite" (tight) タイトに延ばされる。 * 鍾乳石(Stalactites)は天井からタイトに吊り下げられるものだ。 * 石筍(Stalagmites)は天井に届く「かもしれない (might) 」。 * 石筍(Stalagmite)は床から それ自身の全財産(小銭) "mite" (might) を押し上げる。
* 「ダニ( mites )が血を吸って膨らめば(go up), タイツ "tites" (tights) はずり落ちてくる」。
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
http://www.goodearthgraphics.com/virtcave/staltite/staltite.html The Virtual Cave's page on stalactites