閉塞性血栓性血管炎
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閉塞性血栓性血管炎(へいそくせいけっせんせいけっかんえん、ラテン語Thromboangiitis Obliterans:TAO)は、末梢動脈に閉塞性の内膜炎を起こし、末梢部に潰瘍や壊疽を引き起こす病気。
一般に、発見者にちなんだ名前であるBuerger's diseaseとして、ビュルガー病(ドイツ語読み)或いはバージャー病(英語読み)で知られている。
特定疾患治療研究対象疾患である。
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[編集] 病態
末梢動脈に血栓を生じ、それが結合組織に置き換えられて動脈が閉塞し血流の途絶を招き、結果的に末梢部の壊死を引き起こす。
最近病変部位より高率に歯周病菌が発見されていることが報告され、発症との因果関係が注目されている。
[編集] 疫学
男性、特に20歳から50歳までの喫煙者に多発している。受動喫煙者を含めるとほぼ全員が喫煙に関与していると言う。日本には約1万人の罹患者がいるとされる。
[編集] 症状
- 遊走性静脈炎 : 静脈に炎症が見られる。静脈の炎症を「静脈炎」と言う。静脈炎の部分は痒みを伴う。静脈炎があちこちに移動するので遊走性静脈炎と言う。
- 血流不足による末梢部の痺れ、冷感、部位の蒼白化、潰瘍、間欠性跛行、激しい痛み、そして壊死。
- 寒冷曝露によるレイノー症状が認められる。
- 下肢動脈に好発する。
[編集] 治療
将来的に内膜炎が血管閉塞を引き起こし末梢を壊死させるのを防ぐ為に、血管の収縮を招くストレスに晒さない事が求められる。寒気を避け、温浴、マッサージ、運動等で血流を良くする事が求められる。また患部を清潔に保つ事も効果があるとされる。 喫煙は血管収縮を招く事から、絶対禁止が求められる。 医学的にも血小板凝縮抑制や血管拡張、血管バイパス形成等による血行再建手術、神経切除などの対症療法が主流であるが、病変が末梢部にあるので血行再建手術は難しいとされる。
[編集] 外部リンク
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