雲の影
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
雲の影 | ||
---|---|---|
ピンク・フロイド の アルバム | ||
リリース | 1972年6月3日 | |
ジャンル | プログレッシブ・ロック | |
時間 | 40:30 | |
レーベル | キャピトル・レコード | |
プロデュース | ピンク・フロイド | |
レビュー | ||
|
||
ピンク・フロイド 年表 | ||
おせっかい (1971年) |
雲の影 (1972年) |
狂気 (1973年) |
雲の影(Obscured by Clouds)は、1972年に発表されたピンク・フロイドのアルバム。バーベッド・シュローダー監督の映画『La Vallée 』のサウンドトラックである。
大曲も含まず、コンセプト・アルバムでもなく、この時期の彼らにしては気楽に製作された感は否めない。パリ郊外のスタジオで僅か2週間ほどで完成させたという点も、通常のアルバム制作とは異なることを証明している。ある意味では番外編のような作品。とは言え、前作『おせっかい』同様にチームワークのバランスが良く(デヴィッド・ギルモアとリチャード・ライトの持ち味が、うまく調和している)、それなりに聴き所は有る。
ロジャー・ウォーターズが絡んだ歌詞つきの曲「ウオッツ」や「ステイ」では、彼にしては素直で素朴な感情が語られている。普段の屈折した鋭さには欠けるが、優しい雰囲気の美しい曲。 ウォーターズ単独作の「フリー・フォア」は、一見ユーモラスだが、彼の父親の戦死がさりげなく言及されており、後の『ザ・ウォール』(特に映画版)や『ファイナル・カット』へと繋がるモチーフの萌芽が見て取れる。
因みに、ピンク・フロイドが関わった映画としては(彼ら自身のアルバム『ザ・ウォール』を元に製作した同名の映画は別として)、同じシュローダー監督の『モア』(1969年)と巨匠ミケランジェロ・アントニオーニ監督の『砂丘』(1970年)が有る。これらの内で映画としての評価が比較的高いのは『砂丘』のようであるが、そのサウンドトラックは他のバンドの曲も含むため、ピンク・フロイド名義ではない。
ちなみに、ドラマーのニック・メイスンは本作をお気に入りの一枚として挙げている。
[編集] 収録曲
- 雲の影 Obscured By Clouds
- ホエン・ユーアー・イン When You're In
- 炎の橋 Burning Bridges
- ザ・ゴールド・イッツ・イン・ザ… The Gold It's In The...
- ウォッツ Wot's... Uh The Deal
- 泥まみれの男 Mudmen
- 大人への躍動 Childhood's End
- フリー・フォア Free Four
- ステイ Stay
- アブソルートリー・カーテンズ Absolutely Curtains