サウンドトラック
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
サウンドトラック
- (英 soundtrack または sound track) - 映画音楽などの用語。
- 映画のフィルムにおける音声部分の事。右画像の赤い矢印がついている帯の部分がサウンドトラックである。本項目のフィルムにおけるサウンドトラックの節で記述する。
- 派生して、映画、テレビドラマ、テレビゲーム、アニメなどの音の事。
- 挿入曲(劇伴)を収録したアルバム(LP、CDなど)の事なども指す。「サントラ」と略される。本項目の映像作品に伴うアルバムとしてのサウンドトラックの節で記述する。
- 『Soundtrack』(サウンドトラック) - 2002年公開の日本映画。二階健監督、SUGIZO・柴咲コウらが出演。
目次 |
[編集] フィルムにおけるサウンドトラック
サウンドトラックは、元来はトーキーが実用化された際、フィルムの長手方向に画像コマとは独立に設けた音声用トラックを指した技術用語である。台詞・効果音・BGMなどが含まれ、上映に際して再生される。この方式を使って公開された最初の映画は、ディズニー映画の『蒸気船ウィリー』である。
サウンドトラックには、「光学式・磁気式」があり、光学式の中にさらに、「面積式・濃淡式」「モノラル・ステレオ」などの種別がある。
歴史的には、「光学式・濃淡式」がいちばん古く、次いで「光学式・面積式」となる。もちろんモノラルが古く、ステレオは後に登場した。上映用プリントの作成に際しては、「画ネガ」のほかに「音ネガ」というものが作られ、その「音ネガ」から焼き付けられる。
磁気式は、光学式サウンドトラックと同じ位置に帯状に磁気帯を設け、そこにテープレコーダーと同じ方法で録音するものである。コストが高いため、16mm以上では、少量のプリントを製造する際に使われた程度であり、主流とはならなかった。
業務用途では、ニュース取材を中心としたシングル方式同時録音(別の録音機を使用せずフィルムに録音する方法)で、磁気式が多く使われた(例、キヤノン製国産16mmスクーピック)。
又、8mmフィルムのサウンドトラックは、一般的に使われていた物のほとんどは磁気式であった(注:市販用のプリント物では8mmでも光学録音は使われている。光学同時録音の機器も1機種存在するが、こちらはあまり一般的ではなかった)。
ただし、フィルム上に設けられたサウンドトラックの音質はあまり良くはなく、又、マルチチャンネル化もせいぜいステレオが限界である。従って高音質を求める場合には映写機とシンクロした別途用意された磁気テープなどから同期再生する必要があったが、現在は時代の流れにより、あまり使用されていない(かつては、テレビ局でシネテープ(フィルムと同じ形状の磁気テープ)を同期再生する事があった)。
最近では、ドルビーデジタルやSDDSなどのデジタル音響システムを利用し高音質記録をするものが多くなっている。又、CD-ROMに記録された音声を同期再生するものもある。
[編集] 映像作品に伴うアルバムとしてのサウンドトラック
上記サウンドトラックから転じて、映像作品の挿入曲が収録されたアルバム(CD)の事もサウンドトラックと呼ばれるようになった。
なお、映像作品とまったく同じ音源から起こされたLPやCDなどの商品を「オリジナルサウンドトラック」(O.S.T.)という。同じ総譜・同じミュージシャン(オーケストラなどを含む)で演奏されたが、映像作品とは別にLPやCD用に別に演奏された音源による商品の事は、「オリジナルサウンドスコア」と呼び、厳密には区別される。
『タイタニック』、『冬のソナタ』、『ドラゴンクエストシリーズ』など人気映画やテレビ番組・ゲームソフトのサウンドトラックは音楽チャートの上位にも上がる。又、近年は映画作品の主題歌・挿入歌でなくとも、その映画にインスパイアされたという形で、劇中にまったく使用されていない楽曲(この場合主に歌)を集めてサウンドトラックとする場合もある。
[編集] 大ヒットした主なサウンドトラック
- サタデー・ナイト・フィーバー 約4,000万枚
- ボディガード 約3,700万枚
- ダーティー・ダンシング 約3,200万枚
- タイタニック 約2,900万枚
- グリース 約2,700万枚
- サウンド・オブ・ミュージック 約2,100万枚
- フォレスト・ガンプ/一期一会 約1,800万枚
- パープル・レイン 約1,500万枚
- フットルース 約1,500万枚
- ライオンキング 約1,200万枚
(売り上げ枚数は全世界)
[編集] 関連項目
- 映画用語
- バックグラウンドミュージック
- 映画音楽
- オリジナル・サウンドトラック:10ccのアルバム。架空の映画のサウンドトラックという設定で作成された。