非破壊検査
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
非破壊検査(ひはかいけんさ) (NDI: Non destructive Inspection, NDT: Non destructive Testing) とは、材料内部の欠陥や表面の微小な欠陥(クラックやヴォイド)を、被検査物を物理的に破壊することなく検出する検査方法のこと。外部から放射線や超音波などを照射したり、電流を流すなどの方法がある。配管内部の腐食などの検査も非破壊検査に含まれる。
[編集] 非破壊検査法
以下のような代表的な検査法がある:
- 放射線透過検査:判定結果がフィルムとして残り信頼性が高い検査方法であるが、高張力鋼の溶接部の遅れ破壊のように微細なクラックは検出されないこともあり、磁粉探傷検査などの他の検査と併用する必要がある。
- 超音波探傷検査:材料内部の微細な割れ等に対して、検出精度が高いが、欠陥形状の判定はやや困難。
- 渦電流探傷検査(エディーカレント eddy current):材料表面に渦電流を流し、材料に発生する電磁誘導の変化を読み取る。不伝導体の検査は不可。
- 磁粉探傷検査:磁性金属の表面及び表層に発生したクラック等の検査に適しており、表面開口欠陥及びごく浅い内部欠陥の検査が可能である。
- アコースティック・エミッション:クラック発生の初期微候の検出が可能であり、運転中のクラック発生、あるいはクラック進行状態の監視用として使用される。
- 浸透探傷検査:材料表面に発生した表面開口欠陥に浸透液を浸透させ、それを毛細管現象により表面に吸い出し、拡大されて現れた指示模様を観察して欠陥を調べる方法。内部欠陥を検出することはできない。