非細菌性慢性前立腺炎
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非細菌性慢性前立腺炎(ひさいきんせいまんせいぜんりつせんえん)とは慢性前立腺炎の症状をしつこく認めるも、原因菌が特定できない場合にこの病名を使用する。まだ未知のウイルスや細菌が原因と唱える医師やアレルギー性疾患だと主張する医師もいる。
また、このような病名は存在せず、「全て患者の心因性・精神的な病気だ」と断定する、苦しむ患者の心情を平気で踏みにじるような医師もいる(そのような場合の方が多いのも事実)。次の病名が非細菌性慢性前立腺炎の範疇に含まれるものと考えられている。
- 前立腺痛
- 前立腺症
- 陰部神経症
- 骨盤内静脈うっ滞症候群
- 慢性骨盤疼痛症候群
目次 |
[編集] 病因
現時点で明確な原因は分からない。ただ、病因を感染症に求めるのではなく、排尿障害などの物理的刺激が原因と唱えている医師もいる。
[編集] 症状
- 頻尿・残尿感
- 尿道不快感(痒み・しびれ・痛み)
- 会陰部疼痛
- 陰嚢掻痒症
- 下腹部疼痛
- 恥骨裏疼痛
- 大腿部不快感(しびれ・痛み)
- 腰痛・背部痛
- 足裏不快感(しびれ・痛み)
- 射精後疼痛
[編集] 検査
- 尿検査: 尿路感染の有無を調べる。
- 前立腺マッサージ後の前立腺液検査: 前立腺液の中の白血球や細菌の有無を調べる。
上記の検査で細菌感染が否定された時に、非細菌性慢性前立腺炎と診断される。
[編集] 治療
非細菌性と診断しているのにかかわらず、抗生剤を無駄に長期間投与する医師がいる。矛盾を抱きながらの抗生剤治療には、医学・医療という名の一見科学的味付けの学問・治療に、科学的根拠と証拠のない「呪い(まじない)・迷信医療」の姿を垣間見る。ただし最近ニューキノロン系抗菌薬の8-12週投与が効果を示すという報告もある。サイトカイン抑制効果によるものという可能性が示唆されている。
[編集] Topics
前立腺マッサージ後の前立腺液に白血球を証明するのが慢性前立腺炎の証拠になる。しかし、アメリカで興味ある研究報告がある。慢性前立腺炎の患者グループと健常者グループに分け、前立腺マッサージ後の前立腺液検査を比較した所、健常者グループの方が白血球が多く証明されたという報告がある。すると、前立腺液中の白血球証明の存在価値が問われることになる。