10回クイズ
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10回クイズ(じっかいくいず)とはクイズ遊びの一つで、回答者にある単語を10回言わせたあと、その単語が間違いの答えになっているような問題を出し、回答者の誤答を誘うものである。問題自体は落ち着いて考えれば非常に簡単なものであるが、つい間違って答えてしまう。クイズというよりも、言葉遊びに近いものである。日本では1980年代にラジオ番組などで流行した。10回10回クイズとも呼ばれる。
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[編集] 例
代表的なクイズとその回答は以下のものである。
質問者「『ピザ』と10回言ってください」 回答者「ピザ、ピザ、ピザ……」 質問者「(腕を折り曲げて指で示しながら、)それではこの腕の角のところをなんと言うでょう?」 回答者「ヒザ?」 質問者「残念、肘(ひじ)です」
[編集] 最も間違いやすいクイズ
次のものは、6人の心理学者と言語学者が考えた、最も間違いやすいとされる10回クイズである。2004年12月8日放送のフジテレビのテレビ番組「トリビアの泉」で紹介された。
質問者「『ニシン』と10回言ってください」 回答者「ニシン、ニシン、ニシン……」 質問者「赤ちゃんが生まれることを何と言いますか?」 回答者「妊娠?」 質問者「出産です」
[編集] 原理
簡単な問題に回答者が間違ってしまうのは、記憶にプライミング効果と呼ばれるものが働くからである。これによって最近聞いた言葉や、関連の深い言葉が思いつきやすくなる。そこでクイズに答えるときに、間違って答えてしまうのである。
[編集] 歴史
日本では1987年秋に鴻上尚史のオールナイトニッポン(ニッポン放送)で取り上げられ、翌1988年1月には同番組の番組本「10回クイズちがうね」(扶桑社)が出版されたことで一気に流行に火がつき、その後「笑っていいとも!」(フジテレビ)など多くの番組でこの遊びをベースとしたコーナーが作られた。
事実上の元祖といえる同番組では、最後の落ちのところで「ち~が~う~ね!」と叫んでから正解を言うスタイルが採用され、これが他の多くの番組でも使われた。ただしブーム自体は1年程度で沈静化した。
[編集] 応用
クイズを応用して、卑猥な言葉や回答者にとって失礼な言葉を言わせてみるという遊びがある。
[編集] 参考資料
- トム・スタッフォード、マット・ウェッブ 『Mind Hacks』 夏目大訳、オライリージャパン、2005年、ISBN 4873112710
[編集] 関連項目
- 言わんのバカクイズ